シニアが集うサッカースタジアム 母が始めた「声磨き」 、娘はスポーツ応援へ活用

AI要約

ボイスクリエーションシュクルは、声磨きを通じてコミュニケーション力や健康増進を図る事業を展開している。創業者の佐藤恵さんが47歳で起業し、息子の直さんも新たな事業を提案して会社を支えている。

恵さんは海外生活を経て声の重要性を痛感し、40歳でアナウンススクールへ入校。その後、FMラジオのパーソナリティーを経てボイスクリエーションシュクルを創業した。

ボイスクリエーションシュクルは、幅広く声磨き事業を展開しており、企業の健康経営や介護予防事業にも取り組んでいる。声磨きはQOL向上にもつながる可能性を秘めている。

シニアが集うサッカースタジアム 母が始めた「声磨き」 、娘はスポーツ応援へ活用

 「声磨き」という喉を鍛える独自のトレーニング法で、話し方教室や法人研修など「声」を起点とした幅広い事業を展開する「ボイスクリエーションシュクル」(さいたま市)は、創業者の佐藤恵さんが47歳で起業した会社です。長女の直(なお)さんは、事業にかける思いや継続することの大変さを理解するうちに入社し、自身のスポーツコンサルの経験を掛け合わせた新規事業を提案。シニアがスタジアムに集うきっかけになるとして、「声磨き」はいま、Jリーグで広がっています。

 「声磨き」事業を手がけるボイスクリエーションシュクルは、直さんの母・恵さんが47歳のときに立ち上げました。「声磨き」とは、呼吸法や発声法、表情筋を鍛える運動などを組み合わせた同社独自のトレーニング法です。

 恵さんは、夫の海外駐在に伴い、イギリス、カナダ、マレーシア、フランスで通算13年間の海外生活を経験し、コミュニケーションの大切さを痛感しました。

 特に欧米の学校教育において、スピーチやプレゼンなどの授業が行われていたことから、日本の学校教育に課題を感じ、声の出し方や話し方の重要性を伝えたいと思ったのが起業のきっかけです。

 帰国後、40歳のときにアナウンススクールに入校。卒業後、FMラジオのパーソナリティーを経て、2009年に創業しました。

 最初は、人前で話すことが苦手な女性向けの話し方教室を展開していましたが、徐々に学校教育や法人研修のニーズが見えてきたことから、経営者や就活生へと対象が広がっていきました。

 近年は、企業の健康経営への関心の高まりを受け、声磨き健康経営プログラムを実施するなど、幅広く事業を展開し、のべ4万人以上の声の悩みを解決してきました。

 さらに、2015年の介護保険法改正に伴い、高齢者が要介護状態にならないよう支援する「介護予防事業」が創設されたのを機に、介護予防や誤嚥予防を目的とした「健康声磨き」を展開。全国のシニア大学や行政支援機関、カルチャースクールなどで年間1000講座、累計3万人の受講実績があります。

 恵さんは「声磨きは、コミュニケーション向上につながるだけでなく、美容や健康、メンタルヘルスにも良いということがわかってきました。人生100年時代を迎えるなか、シニアのQOL向上にもつながると考えています」と話します。