家にある体重計は捨てたほうがいい…「体重と体脂肪に一喜一憂するダイエット」が大間違いである理由

AI要約

ダイエットにおける体重計の効果について、パーソナルトレーナーのmikikoさんが体重計の数字に一喜一憂するよりも体型や健康を重視するべきだと指摘している。

太ももの隙間が健康的でないことや、筋肉や脂肪を落としすぎることが健康リスクにつながる可能性について説明されている。

さまざまな方法で隙間を作ることが可能であり、SNSや雑誌でのイメージ作りやポーズ技術、写真の加工など様々な手法が紹介されている。

ダイエットのために毎日体重を量るのは効果的なのか。パーソナルトレーナーのmikikoさんは「体重は常に変動しており、1日の中だけでも数kgの幅がある。数字で一喜一憂するくらいなら、体重計なんて捨ててしまったほうがいい」という――。

 ※本稿は、mikiko『ニュージーランド式 24時間やせる身体をつくるベストセルフダイエット』(Gakken)の一部を再編集したものです。

■「太ももの隙間」はないほうが健康的

 「太ももの隙間」こそ、実は人間の身体にとっては「あるほうが不自然なもの」です。

 スラッと伸びた脚の間から光が漏(も)れる光景は多くの女性の憧れですが、人間の身体の構造や健康を考えたら、これは存在するべきではない隙間です。わざわざ隙間ができるようにダイエットすることに、健康へのメリットもありません。

 骨格模型だけを見ると両脚の大腿骨(ももの骨)の間に大きな空間がありますが(図表1)、平均的な量の筋肉があればその隙間はほとんど埋まります。

■筋肉が落ちすぎると膝や腰に負担がかかる

 「筋肉と脂肪を落とせば隙間は大きくなるからダイエットすればいい」と思うかもしれませんが、隙間ができるほど筋肉が落ちれば、日常生活をこなすだけの筋力が足りなくなり、膝や腰などの関節に負担をかけるようになります。

 また、隙間ができるほど脂肪が減れば、やせすぎによる生理不順や免疫不全で健康リスクが上がります。太ももの脂肪は女性ホルモンの働きが密接に関係するので、太ももの隙間を基準に減量を試みることは危険なのです。

 しかし実際にはSNSや雑誌で、筋肉や脂肪がある程度ついているのに隙間がある人を見かけることがあります。桃尻同様に、見せ方7割で「それっぽく」見せることができてしまうのです。

■隙間は「つくる」ことができる

 以下の①②は見せ方によってつくられる隙間、③④は健康上望ましくない体型・骨格によるもの、⑤はテクノロジーによる隙間です。

 ① 脚を開いて立っている【画像1】

→つま先をピッタリとはくっつけずに、隙間ができるくらい脚を広げて立っています。

 ② 脚が細く見えるポーズをしている【画像2】

→腰を後ろに引いたり、片脚だけ前に出したり、片方の膝を曲げるなどして、隙間ができるようなポージングテクニックを使っています。

 ③ O脚

→つま先がくっついている時に膝と膝がくっついていないO脚の場合、気をつけの姿勢をしていても脚の間に隙間ができやすいです。

 ④ 極度の痩せすぎ

→太ももの付け根から膝にかけてがまっすぐで、内もものふくらみがない人は、極度のやせすぎで生理不順や免疫力低下など、健康問題を抱えている可能性もあります(体質的に太れない人もいるので、見た目だけでジャッジはできませんが)。

 ⑤ アプリで加工して隙間を広げている【画像3】

→技術の発達による産物ですね……。

■「太もも市場」で得するのは誰か

 今ではスマホでも気軽に写真の加工をしたり、レンズを変えて印象を操作したりすることができてしまいます。太ももの隙間をつくるぐらいなら、数分で見分けがつかないほどできるのです。

 なくてもいい隙間を、こうしたテクニックを使って「ないほうがおかしい」とでもいうかのように扱う環境は、多くの女性を間違ったダイエットに導き、心身共に苦しめています。

 「太もも市場」で本当に恩恵を受けているのは、理想を追いかけるダイエッターではなく、人のコンプレックスを利用して注目を集めている人やビジネスなのです。