もう限界だ…現役時代は〈年収1,500万円超え〉の元大手メーカー部長、勝ち組サラリーマンの代表が「老人ホーム入所初日」に涙のワケ

AI要約

高齢者向けの「老人ホーム」に入所した男性の感動的なエピソード。

男性は転勤が多かったため、定年後も孤独を感じていた。

その背景には、転勤の影響で表面的な人間関係しか築けなかったことがあった。

もう限界だ…現役時代は〈年収1,500万円超え〉の元大手メーカー部長、勝ち組サラリーマンの代表が「老人ホーム入所初日」に涙のワケ

昨今、高齢者の住まいの選択肢として人気が高まる「老人ホーム」。施設によって入所条件はさまざまですが、老人ホームを検討する理由は、自宅での介護が難しくなったというケースや、家事が面倒というケースまでさまざま。不本意ながら老人ホームに入所することになったという人もいれば、その逆のパターンも。みていきましょう。

サ高住で働く50代女性。サ高住というと、基本的に住宅単体では介護サービスはついていないため健康な高齢者が入居するイメージですが、女性が働く施設は介護対応可能。また原則、サ高住では食事の提供はありませんが、その施設には調理場があり食事の提供サービスも。至れり尽くせりのサービスもあるため、自由に暮らしたい人から、サービスが目当ての人、さらには介護を必要とする人まで、入居者層は実に幅広いといいます。

そんな施設で、先日入所してきた72歳の男性。施設での初めの食事の際にポロポロと涙を流したとか。「ごはん、美味しくないですか?」と尋ねると「いえっ、とても美味しいです」とひと言。そのあとも、「美味しい」といいながら、涙していたといいます。

食事が終わり、落ち着いたところで話をしていると、「嬉しかったんです」と男性はポツリ。

現役時代、大手メーカーに勤めていたという男性。独身だったこともあり、転勤を頼まれることが多く、「だいたい3~5年ごとくらいに赴任先が変わっていた」と男性。「また数年後にはここからいなくなるから」と、同僚とは表面的な付き合いしかなかったといいます。ただ仕事に真面目な姿勢は社内でも評価され、最終的には部長職まで昇進。年収は1,500万円を超え、まさにサラリーマンの勝ち組代表といえるほどでした。

アート引越センターが総務・人事など転勤に関わる業務に携わっている会社員に対して行った調査によると、「転勤者を選ぶ際に家族構成は影響しているか?」の問いに対して、71.7%が「影響している」と回答。60.2%が「既婚者よりも未婚者のほうが優先されやすい」と回答し、また37.2%が「子どもがいない人のほうが優先されやすい」と回答しました。

数年ごとに赴任先が変わり、表面的な人間関係しか築くことができなかったという男性。その影響は定年退職後にも。

内閣府『令和3年度高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査』によると、「昔の職場の同僚との付き合い」については、「付き合っている人がいる(「よく付き合っている人がいる」「たまに付き合っている人がいる」の合計)」が61.5%に対して、「付き合っている人がいない」が33.5%でした。赴任先が数年ごとに変わり、表面的な人間関係しか築けなかったという男性は、この3割のほうだったのでしょう。