「食品添加物」って本当に体に悪いの?プロに聞いた“これだけは避けたい添加物”と病気のメカニズム

AI要約

食品添加物についての誤解や注意点について解説。安全性や必要性、摂取量の問題などを詳しく説明。

添加物は体調不良や病気の原因となる可能性があること、過剰摂取による影響やビタミン・ミネラルの不足との関係について言及。

食生活の乱れやビタミン・ミネラル不足と添加物摂取の関係、健康意識の高まりと添加物への意識の違いについても触れる。

「食品添加物」って本当に体に悪いの?プロに聞いた“これだけは避けたい添加物”と病気のメカニズム

忙しい毎日で、ゆっくり自炊をする暇もない……。

そんな現代人にとって、外食やコンビニ飯は何かと頼りになる存在だ。栄養バランスを心配しつつ、せめてもの抵抗でカロリー表示を気にしたり、たんぱく質が豊富な食品を選んだりしている人も少なくないだろう。

一方、「食品添加物」を気にしている人はそう多くないはず。今やほとんどの食品に添加物が含まれているといっても過言ではないが、なんとなく体に悪いイメージがありながら、「まぁ、大丈夫っしょ」と高を括りがちだ。

そこで今回は、醤油、日本酒、餅など数々の食品メーカーで勤務経験を持ち、現在は「食品表示マニア」「添加物オタク」を自称する中戸川 貢さんに、添加物のデメリットについて聞いてみた。

――なんとなく悪そうなイメージの食品添加物ですが、そもそも「食品添加物」の定義とはどんなものでしょう?

食品衛生法では、食品添加物とは「食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」と定義されています。

分かりやすくいえば、食品を長持ちさせたり、美味しそうに見えるよう色をつけたり、旨みを感じられるよう味をつけたり、といった目的で使用される保存料、着色料、調味料などをまとめて食品添加物と呼んでいます。

『ワースト添加物』という本の著者である私が言うのもおかしな話なのですが、基本的に添加物は「安全」なんですよ。というのも、現在使用が許可されている添加物はすべて厚生労働大臣の認証を受けたものだからです。

添加物のおかげで、食中毒や食品ロスを防げるということですから、SDGsの観点から言うと社会に貢献していますし、現代の豊かな食文化は添加物の活躍に支えられている部分がかなり大きいでしょう。

――確かに、最近はコンビニ食でも低カロリーかつPFCバランス(たんぱく質、脂質、糖質の含有バランス)がよいものも増えているし、体に悪いイメージは一昔前よりもかなり減っている気が……。

まさにそこなんです。健康意識が高く、ダイエットの知識が豊富な人が増えてきた昨今ですが、カロリーやPFCバランスばかりが重視されがちで、添加物のことまでは気にしていない消費者がかなり多い。

しかし添加物は、PFC(3大栄養素)ではなく、5大栄養素に含まれる「ビタミン」「ミネラル」のほうに悪影響を及ぼし、その結果、体調を崩してしまうのです。

もし今の食生活がPFCだけでなく、5大栄養素まで意識できているのであれば、極論として「添加物はそこまで気にしなくてもいい」といえるでしょう。しかし、そういう人は残念ながら少数です。

――国が認可した安全なものならば、なぜ添加物によって体調を崩すのでしょうか?

そもそも添加物は、その使用量や目的が細かく規定されており「ただちに人体に悪影響を及ぼさない」という前提があります。

しかし、たとえ塩だって摂り過ぎれば死に至るもの。過剰摂取が体の不調を招くのは当然のことです。そして取りすぎた添加物は、体内のミネラルやビタミンという、いわば大工道具たちが分解や代謝を頑張ってくれているおかげで無毒化されているだけなんです。

ところが食生活が乱れがちな現代では、ただでさえビタミン、ミネラルが不足している人が圧倒的に多い。その状態で添加物が多い食事をとると、その対応にビタミン、ミネラルが追われ、ますます消費されてしまうため、病気になっていくのです。

添加物そのものは悪ではなくて、ビタミン、ミネラル不足を助長させることが悪なのです。