知っておきたいビジネスホテルのルール。シングルの部屋に人を呼べない理由とは。

AI要約

ビジネスホテル利用時のルールや注意点を解説

宿泊者名簿の重要性と氏名・住所などの提供義務

シングルルームでの人呼びは危険、規定違反のリスクも

知っておきたいビジネスホテルのルール。シングルの部屋に人を呼べない理由とは。

本記事では、ビジネスホテル利用時のルールやホテルごとの宿泊に関する規定、料金設定などについて解説します。シングルルームに人を呼ぶリスクやトラブルを避けるための注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

旅館業法第六条により、宿泊施設の営業者には「宿泊者名簿」を備えることが義務付けられています。宿泊者名簿とは、宿泊者全員の氏名・住所・連絡先などを記載したもので、都道府県知事から提出を求められることもある重要な書類です。

また、宿泊者も営業者からの請求に応じ、宿泊者名簿に記載すべき情報を伝えなければなりません。つまり、ビジネスホテルに宿泊する際は、氏名や住所などをホテル側に正しく伝える必要があるのです。

1人で宿泊予定のビジネスホテルに人を呼ぶことは、危険な行為といえるでしょう。

原則として、シングルルームは1人での宿泊を想定した部屋であり、定員を超えての利用はできません。ビジネスホテル側は、消防法の基準に沿って、万が一の事態が起きても人命を守れるように適切な収容定員を設けているからです。

また、ホテルは宿泊者の情報を管理する義務があるため、宿泊者以外の人が客室に入ることを認めていないケースが一般的です。

人を呼びたいと思ったら、まずホテルの利用規約を確認してみてください。宿泊者以外の入室は禁止と明記されているのであれば、部屋に人を入れられないので、ホテルのフロントで相談しましょう。

人数追加時の扱いや料金設定など、宿泊に関する規定はホテルによって異なります。当日の空室状況によっても対応はさまざまで、他の客室への変更を求められることもあれば、満室のためロビーやレストランでの面会を提案されるケースもあるでしょう。

いずれにしても、事前にフロントで相談し、ホテルの指示に従うことが大切です。

無断で人をシングルルームに呼んでしまうと、万が一ホテル内で備品の破損や盗難などが発生したときに、責任の所在があいまいになりかねません。

さらに、詐欺罪や建造物侵入罪に問われるリスクもあります。刑法第百三十条により、正当な理由なく人の看守する建造物に侵入すると、「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」を科される可能性があります。構造上自由に出入りできる建物であっても、ホテル側の意思に反する立ち入りは侵入にあたると考えられるため、自分の呼んだ人が不法侵入者とみなされかねません。

また、刑法第二百四十六条により、人を欺いて財物を交付させると詐欺として「十年以下の懲役」を科される可能性があります。人と2人で宿泊したにもかかわらずシングル料金しか支払わない行為は、この詐欺罪にあたると考えられます。ホテル側としては、うそをつかれた結果、人の分のサービスも提供してしまったことになるためです。

さまざまな事情で、宿泊予定のビジネスホテルに急きょ人を呼びたくなる場面があるかもしれません。まずは、ホテルの利用規約を確認し、一緒に泊まる場合はもちろんのこと、短時間部屋に入れるだけであっても、事前にホテルへ相談するとよいでしょう。

法律やホテルごとの規定を遵守することで、気持ちよく滞在できるはずです。法令違反のリスクから自分や人を守るためにも、正しい申告をした上で適切な料金を支払い、トラブルを回避しましょう。

出典

e-Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法 第百三十条 第二百四十六条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー