「性欲を我慢すればパフォーマンスが向上する」って噂、ホント?選手村では「コンドームを30万個配布する予定」

AI要約

パリ・オリンピックの選手村で30万個のコンドームが配布予定。専門家によると、性行動とスポーツパフォーマンスには科学的な関連性はない。

選手自身がセックスとパフォーマンスの関連性をどう考えるかによって、競技前の性活動は個人の選択次第。

トップアスリートの大半はセックスがスポーツに影響しないと考えており、競技前後で性活動の頻度を変える傾向がある。

「性欲を我慢すればパフォーマンスが向上する」って噂、ホント?選手村では「コンドームを30万個配布する予定」

パリ・オリンピックの選手村では配布用のコンドームが30万個用意されるそうだ。それにしても選手たちの性生活はどうなっているのだろう?専門家2人に話を聞いた。

今年の3月15日、選手村村長のローラン・ミショーはニュース専門局「スカイニュース」に出演、選手村でコンドームを30万個配布する予定であることを語った。このニュースを聞いて、こんな疑問を抱いた人もいたに違いない。競技前にはセックスしない方がいいとか、性欲を我慢するとパフォーマンスが向上すると聞いたことがあるけれど、本当のところはどうなのだろう。科学的な根拠があるのだろうかと。

選手たちは競技前日にセックスしないよう言われているという話は広く信じられている。実際のところはどうなのか。INSEP(フランス国立スポーツ体育研究所)のスポーツ体育研究室でハイパフォーマンス・スポーツ社会学を研究しているエレーヌ・ジョンシュレイはこれを即座に否定した。「まず、コーチがアスリートの性生活に干渉するのは倫理上好ましくありません。しかも、セックスがスポーツのパフォーマンスに生理学的な影響を与えるという科学的な証拠は存在しません」

INSEPの婦人科医兼スポーツドクターのキャロル・メートルも同意見だ。「アスリートがセックスを楽しむのなら、なにも悪いことはありません。医学的見地から禁止されることはないですし、それでエネルギーを消費したからといって、翌日のパフォーマンスに影響ないでしょう。ほとんどの選手は30歳以下の若者なのですから」

トップアスリートの83%は、セックスをしてもスポーツの成績に影響しないと考えている。これはINSEPが2016年に、18歳から30歳のアスリート341人を対象におこなった調査の結果だ。競技会が近づいても普段の性生活を変えないと回答した人は53%いた。一方、競技会の有無で性生活が変わると回答した人のうち、95%は競技前と競技中はセックスの頻度を減らし、終了後に回数を増やすと回答した。だが「それはもっぱら個人的な選択の結果で、集中したいからとか、(配偶者が必ずしも選手村に滞在しているとは限らないという)状況があっての結果」に過ぎないと、キャロル・メートルは分析している。

競技前日にセックスをするかどうかは結局のところ、個人の問題だとエレーヌ・ジョンシュレイは言う。「アスリート本人が自分のパフォーマンスとセックスの関連性をどのように考えるか、あるいは気にしないか次第です」とのこと。セックスした方がリラックスできると思う人もいれば、体力の消耗が気になる人もいるだけの話だ。