確定拠出年金と新NISAは何が違う? 「年金」は原則60歳まで受け取れない 100歳時代の歩き方 イマサラQ&A

AI要約

確定拠出年金と新NISAの違いについて解説。確定拠出年金は60歳まで受け取れず、年間拠出限度額も異なる。また、運用商品や税制の面でも大きな違いがある。

確定拠出年金は老後の安定を求めるなら適しており、新NISAはお金が必要な場面に対応しやすい。どちらを利用するかは個々の状況によります。

社会保険労務士の當舎緑氏による答え。7月は「実家の片づけ」をテーマにする。

Q 確定拠出年金は資産を自分で運用する制度ですよね。新NISAと似ているような気がします

A どちらも資産を形成する制度ですからね。ただ、いくつか違いがあります。まず、受け取れる時期が違います。確定拠出年金は「年金」ですから原則60歳までは受け取れません。新NISAはいつでも好きなときに受け取れます

Q 60歳まで使えないのは大きい…

A 拠出できる限度額も違います。確定拠出年金は立場によって上限が違いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に加入している自営業者などは年間最大81万6千円なのに対し、新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間最大360万円です。ただ新NISAは両枠総額の上限が1800万円なのに対し、イデコには総額の上限がないので、立場や拠出額、拠出期間によっては総額が新NISAを上回るケースもあります

Q 年齢制限は

A イデコは国民年金加入者で65歳未満、新NISAは18歳以上ならいつまでも利用できます

Q 運用する商品も違いますか

A イデコは定期預金などの元本保証商品も含まれていますが、新NISAは投資信託や株式で、元本保証商品はありません。リスクをとりたくない人には新NISAはお勧めしません

Q 税の控除は

A 確定拠出年金は掛け金が全額所得控除されるほか、運用益は非課税、60歳以降に受け取るときに課税はされますが、大きな控除があります、一方、新NISAは運用益が非課税になり、受け取るときに課税はされません。ただ、損失が出る場合は非課税も何も関係ありません

Q いろいろ違います

A 老後の生活の安定を求めるなら確定拠出年金を、近く何かまとまったお金が必要なら新NISAを優先的に考えます。そして、2つを組み合わせていくのがいいかと思います

(回答者 社会保険労務士 當舎(とうしゃ)緑)

=7月は「実家の片づけ」です