【新NISAと人生設計】62歳FPは積み立て投資のみ S&P500ではなくNYダウを選んだ理由 深野康彦

AI要約

独立ファイナンシャルプランナー深野康彦氏が新NISAを活用する方法について語る。

深野氏は主につみたて投資枠を活用し、投資信託を5本選択している。

マネープランは歩みたい人生が先にあるとし、夫婦での旅行を楽しみながら資産運用を行っている。

【新NISAと人生設計】62歳FPは積み立て投資のみ S&P500ではなくNYダウを選んだ理由 深野康彦

 非課税の枠が増えた新NISA制度が始まってはや半年。金融のプロは実際にどのように活用しているのだろうか。独立ファイナンシャルプランナー(FP)で業界歴35年以上の深野康彦氏に実際、新NISAをどのように活用しているかを聞いた。

  新NISAにはつみたて投資枠で年120万円、成長投資枠が年240万円と設定されている。しかし、深野さんは積み立て投資の活用のみ。その理由として、自身の年齢という要素を挙げる。

 「私も現在62歳ですから、つみたて投資枠と成長投資枠をそれぞれフル活用して資産を大きく増やさなくていいと思っています。年金は70歳まで繰り下げて受給する予定なので、70代まで、いかに資産取り崩さずに運用できるか。ですから、今のところ新NISAは積み立て投資を活用しているだけです」

■購入している投資信託は5本

  具体的に購入している投資信託は次の5本。大和アセットマネジメントのNYダウ連動「iFree NYダウ・インデックス」、三菱UFJアセットマネジメントのいわゆるオルカンと呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、明治安田アセットマネジメントの「新成長株ファンド」、SBIアセットマネジメントの「SBI・コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド」と「SBI・コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド」。60代なので無理をして運用をする必要はない、という観点からこのポートフォリオに落ち着いたのだという。

「NYダウ」を選んだのはどうしてだろうか。アメリカのインデックスではほぼ成長が見込めるが、一般的には「S&P500」に連動する投資信託が人気だ。

「構成銘柄にロッキードなど軍事企業が20社ほど入っているのが個人的にはネック。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの軍事衝突などを鑑みると、世界平和の観点からその状況は好ましくないと思っているからです」

 残りの4本を選んだ基準を聞くと、

 「オルカンは消極的に投資候補から選択肢を減らしていったら残った感じです。明治安田の新成長株ファンドは逆張り的に中小型株の成長があるならば、面白いのではという理由。SBIアセットのクオリティグロースは、オルカンとどちらが伸びるかという比較をするために選びました」

■積極的にお金は使うようになった理由 

 マネープランは歩みたい人生が先にあってこそ。深野さんの人生設計を聞いてみた。基本路線は「DIE WITH ZERO(ゼロで死ぬ)」だという。

 「FPの仕事も70代くらいまでは続けようかと思っていますが……。70歳以降でキャッシュフローが回るような仕組みになっていればいいと思います。子どもたちのために、多少は遺産があればと思いつつも、50代後半から以前より自分のやりたいことに積極的にお金は使うようになりました。『今が一番若くて元気』ですからね」

  お金の使い道は、主に夫婦での旅行。昨年も、初ガツオを食べに高知へ行ったり、山形の出羽三山の羽黒山に登ったり、徳島の大塚国際美術館を訪れたりしたという。今後も折を見て旅行はしたいと思っているそうだ。

 「実はヨーロッパには一度も行ったことがないので、食事がおいしいイタリア、スペイン、フランスは訪れたいですね。あと、おいしい食事が健康の源ですから食材にはこだわっていて、深野家のエンゲル係数は若干高めです(笑)」

  新NISAで資産運用をするのも単に増やすのではなく、使い先を考えて人生を豊かにするための方法、というわけだ。

 最後に成長投資枠の活用について聞いた。深野氏が仮に成長投資枠を大胆に使うとしたらどのようなシチュエーションなのだろうか。