定年後は再雇用で「月20万円」稼げることになりました。70歳まで働くと、年金はどのくらい増えますか? 現在は「月10万円」もらえる予定です

AI要約

定年後に70歳まで働くことで年金額を増やす効果について解説。

報酬比例部分の増加と経過的加算による年金額の増加について詳細に述べる。

年金受給額の増加が将来的にどれだけの影響を与えるか考察。

定年後は再雇用で「月20万円」稼げることになりました。70歳まで働くと、年金はどのくらい増えますか? 現在は「月10万円」もらえる予定です

受給できる年金額を増やすうえで、可能な限り長く働くことは効果的です。現行法では企業に65歳までの雇用確保措置が義務付けられているため、60歳で定年を迎えたあとも働き続ける人もいるでしょう。

本記事では、60歳で定年を迎えたあとに70歳まで働いたケースにおいて、いくら年金額が増えるか解説します。

老齢年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建てです。受給できる老齢厚生年金額は「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」で計算します。

定年後の再雇用で毎月20万円の給与を受け取る場合、将来受け取れる厚生年金がいくら増えるのかシミュレーションします(加給年金額は考慮しません)。

平成15年4月以降の厚生年金の加入期間の報酬比例部分は「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で算出します。毎月20万の給料で働くと「20万円×5.481/1000×1ヶ月≒1096円です。

報酬比例部分は1ヶ月につき約1096円増えるため、10年(120ヶ月)働けば年間約13万円、月額換算で約1万1000円受け取れる年金が増えることになります。

厚生年金加入期間が480ヶ月未満の人は、480ヶ月に達するまで経過的加算による増額があります。増額されるのは、厚生年金への加入1ヶ月につき1652円(令和5年度)です。10年間(120ヶ月)保険料を納めれば、最大で年額約19万8000円、月額換算で約1万6000円年金額を増やすことが可能です。

60歳から10年間にわたって月額20万円で働いた場合、報酬比例部分と経過的加算額を合わせて毎月の年金額を約2万7000円増やせます。

年金は終身にわたって支給されることを考えると、少しでも受け取れる金額を増やすことは有意義です。「月額10万円の年金が一生涯にわたって受け取れる」場合と「月額12万7000円の年金が一生涯にわたって受け取れる」場合では、安心感が違うのではないでしょうか。