「食」を通して学べる! 金融街のビルの屋上に出現した「食べられる校庭」とは[FRaU]

AI要約

エディブル カヤバエンは、東京・日本橋茅場町にある金融街のビルの屋上に設立されたファームガーデンで、子どもたちが食べ物を育てて学ぶ場として活用されている。

エディブル・スクールヤードは、野菜や果実を育てるだけでなく、持続可能な生き方や環境への理解、様々な科目を総合的に学ぶことを目的とした教育モデルであり、日本でも注目を集めている。

中央区立阪本小学校の児童たちがエディブル カヤバエンで野菜を収穫し、料理して食べる体験を通して、それぞれが自分の興味や能力を伸ばして楽しんでいる様子が描かれている。

「食」を通して学べる! 金融街のビルの屋上に出現した「食べられる校庭」とは[FRaU]

都会のビルの上でも、個人の小さな庭でも、一人ひとりが自然を意識した場所をつくることができたら、緑あふれる心地よいまちが生まれるはずです。今回は、自然に寄り添い、共存するための場所づくりに励むEdible KAYABAENをご紹介。

東京・日本橋茅場町。金融街のビルの屋上に子どもたちの賑やかな声が響く。まちを行き交うビジネスマンたちは頭上に野菜が育つ菜園があるなんて想像していないだろう。

東京証券会館の屋上にファームガーデン「エディブル カヤバエン」ができたのは2022年春のこと。会館の親会社である平和不動産が、パブリックスペースの少ないオフィス街にどうにかして“にぎわい”を形成したいとビルの屋上に着目したのがきっかけだった。人と緑が共生する社会を目指して都市に緑を創り続けてきたユニバーサル園芸社に相談を持ちかけたところ、「食」を通して子どもたちが様々なことを学べる場というアイデアが持ち上がった。モデルとしたのはアメリカ・カリフォルニア州バークレー市で誕生した「エディブル・スクールヤード」だ。

日本語にすると「食べられる校庭」だが、その活動は野菜や果実を育てて食べるだけにとどまらない。体験を通して持続可能な生き方や環境への理解や知性を養い、さらに算数や理科、国語、芸術、環境などあらゆる科目を菜園での課外授業の中で総合的に学んでいく。アメリカでは多くの小中学校で実践され、近年は日本でも画期的な教育モデルとして少しずつ注目を集めている。

この日、屋上菜園にいたのはビルから徒歩5分の場所にある中央区立阪本小学校の2年生。すくすくと育った野菜を収穫し、みんなで料理して食べる、待ちに待った日だ。先生役を務めるのは日本でエディブル・エデュケーションの実践を行っている一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパンのメンバー。収穫班、生き物観察班、コンポスト班、テーブル飾り付け班の4チームに分かれた児童たちは、思い思いのやり方でミッションを遂行していく。アオムシを見つけて家を作ってあげる子、コンポストの中に生えたキノコを観察する子、フラワーアレンジメントに熱中する子、リーフレタスを収穫したそばから食べてしまう食いしん坊な子もいる。