Luup対抗の「黒船」米電動キックボード大手Limeが日本参入。欧米との違い、どう乗り越える

AI要約

世界280都市以上で展開するLimeが日本での電動モビリティシェアリングサービスを開始。東京6エリアにポート40以上を設置し、電動キックボードと電動シートボードを投入、拡大予定。

日本展開の背景や準備、車両の特徴、安全性への取り組みなどについて。ライムは日本の規格に合わせた調整を行い、安全性を重視。

日本での展開に向けた取り組みや調整について、今後の展望や競合他社との差別化を図る戦略などに焦点を当てる。

Luup対抗の「黒船」米電動キックボード大手Limeが日本参入。欧米との違い、どう乗り越える

世界280都市以上で電動モビリティシェアリングサービスを展開する業界世界最大手のLime(ライム)が、8月19日に日本でのサービスを開始した。まずは、東京都内、渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区の6エリアに、40以上のポートを設置。電動キックボードと座って乗る「電動シートボード」を合計200台投入し、順次拡大していく方針だ。

国内では、都内を中心にスタートアップのLuupがシェアを広げる中、欧米で存在感を放つ「黒船」はどうサービスを広げるのか。

ライムは2017年に誕生した、アメリカ・シリコンバレーに拠点を持つスタートアップ。電動キックボードをはじめとしたマイクロモビリティのシェアリングサービスを展開しており、これまでの世界での総乗車回数は6億回。移動距離は10億キロメートルを超えるという。

もともと欧米を中心に展開していたが、今回、日本での住民や観光客向けの移動サービスとして、世界32カ国目、東アジアでは初めてサービス展開が決まったという。

このタイミングでの日本展開について、ライム広報は

「2019年に福岡で実証試験を行い、地元行政と意見交換を重ね、日本における事業運営に必要なことを理解しました。そして十分な準備が整ってからサービス提供することが重要であることも理解しました。この度、日本において住民及び観光客に便利でサステナブルな移動手段を提供できる適切なタイミングであると判断し、日本でのサービス展開を決定しました」

とBusiness Insider Japanの取材に応じた。

日本では電動キックボードと電動シートボードの2種類の車両を展開。電動シートボードのサービス展開は国内初だ(Luupが2024年12月以降を目処にサービス導入する計画を発表している)。どちらの車両も国内ではLuupなどが展開している「特定小型原動機付自転車」(特定小型原付)に分類される。

速度は通常モードで最高時速20キロメートル。歩道走行モードへの切り替え機能も付いており、その場合は最高時速が6キロメートルとなる。このあたりは、国内で普及している特定小型原付にあたる電動キックボードなどと同様だ。

ライムでは、これまで世界で展開してきた走行データや、各国の道路事情、関係法令などを踏まえて車両やサービスを調整し、高い安全性を担保することを目指しているという。日本展開に向けても、日本の規格に調整した車両を整備している。具体的には、海外仕様より短くするようなハンドルバーの調整、歩行モード(時速6キロ制限)の追加、歩行モード時に点灯する緑ランプの装備などに対応している。