ボーイング宇宙船「スターライナー」、帰還時期を8月最終週までに決定

AI要約

宇宙船CST-100 Starlinerの帰還時期が決定されるまでの状況を明らかにしました。初の有人飛行試験に関する問題点やNASAの対応策について述べられています。

現在、Boeingのエンジニアと連携してStarlinerの問題点を解決し、Crew-9の打ち上げ準備を進めています。Crew-9の宇宙船Crew Dragonとの連携や地球への帰還手順についても具体的に説明されています。

NASAのCommercial Crew ProgramにおけるSpaceXとBoeingの役割や実績、そして運用予定について紹介されています。将来の宇宙飛行士輸送計画への展望も述べられています。

ボーイング宇宙船「スターライナー」、帰還時期を8月最終週までに決定

米Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」の帰還時期を8月最終週までに決定すると、米航空宇宙局(NASA)の幹部は述べている。

 初の有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)として打ち上げられたStarlinerは、2人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送。しかしヘリウム漏れやスラスターの問題から、地球への帰還時期が未定となっている。

 NASAはSpace Exploration Technologies(SpaceX)の宇宙船「Crew Dragon」によるISS宇宙飛行士輸送ミッション「Crew-9」に2人の宇宙飛行士を搭乗させて打ち上げ、Starlinerで運ばれた宇宙飛行士とあわせて2025年2月に地球に帰還させることを検討している。

 現在はBoeingのエンジニアと協力して、Starlinerの地上試験から得たデータを評価している。Crew-9のCrew DragonがISSとドッキングするためには、StarlinerはISSとのドッキングを解除する必要がある。

 もし、Starlinerで運ばれた2人の宇宙飛行士がCrew-9の宇宙船(Crew Dragon)で帰還する場合、Starlinerは宇宙飛行士を搭乗させない状態でISSから切り離され、大気圏に再突入し、パラシュートを展開させて着陸、回収されることになる。

 海外メディアのSpace.comによると、米国時間8月14日に開かれた会見でNASAで主任宇宙飛行士を務めるJoe Acaba氏は「クルーを必要以上に危険にさらさないよう、時間をかけて確認している」と述べている。

 CFTとしてISSに運ばれた宇宙飛行士の滞在は当初1週間程度の予定だった。2025年2月に帰還するとなれば、滞在期間は約8カ月となる。

 NASAは、ISSへの宇宙飛行士の輸送を委託する「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」としてSpaceXとBoeingを選定。SpaceXのCrew Dragonはすでに2020年11月から実運用されており、Crew-9は9回目のミッション(CFTを含めると10回目)。BoeingのStarlinerは実運用前の段階。Starlinerの実運用ミッションである「Starliner-1」は2025年2月から2025年8月に延期されている。