ファクス利用、日本で4割 不動産業界は6割超 日常使いの実態明らかに

AI要約

情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の画像情報ファクシミリ委員会が31日に発表したファクシミリの利用調査によると、日本やドイツではファクスの利用が依然として広く、米国も7割が利用していることが分かった。

調査結果から、日本とドイツはファクス利用率が高いことが明らかになった。今後もファクスの利用が続く見込みで、米国やドイツでは8割以上がファクスを利用し続ける意向を示している。

ファクス利用の理由や受信原稿の利用方法も国によって異なり、各国の特徴が見られる結果となった。

ファクス利用、日本で4割 不動産業界は6割超 日常使いの実態明らかに

 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の画像情報ファクシミリ委員会が31日に発表したファクシミリの利用調査によると、文書や画像の送受信にファクスを使っている人が日本では4割、ドイツでは5割いることが分かった。昨年行った調査では、米国は7割がファクスを利用しているという結果もあり、主要国で依然として業務の通信手段にファクスを使っている実態が明らかになった。

 調査は2021年から国内で実施しているもので、今回で4回目。23年には初めて米国を対象に調査し、24年は欧州でファクシミリ購入額の高いドイツを選定した。

 調査結果によると、日本は、業務の中でファクスを「日常的に使用している」「たまに使用している」との回答が40.1%となった。「使用したことがない」人は21年の32.7%から24年は40.9%と、3年で8.2%増加した。

 今回新たに調査したドイツは、業務の中で50.7%がファクスを利用。23年に調査した米国の69.0%より少ないものの、いずれの国も日本より利用率が高い結果に。今後のファクス利用に関しては、日本が7割台だったのに対し、米独は8割以上が利用意向を示した。

 ファクスを使い続ける理由は、米国では「確実に届くから」が41.4%と最も多かったのに対し、ドイツは「ファクスを使う取引先が多いから」の46.6%が最多。藤井秀樹委員長(富士フイルムビジネスイノベーション)は「確実性を求める米国と相手に合わせるドイツとで国の違いが出た」とみる。

 受信原稿の利用方法は、米独が日本と比べ文書サーバーへ転送する割合が圧倒的に高い。文書サーバーへの転送もOCR(光学文字読取機能)を使う人が多く、「受信原稿を電子化しワークフローに組み込んだ使い方が浸透している」(藤井委員長)と分析する。

 業種別のファクス使用状況をみると、日本で使用率が高いのが「不動産・住宅」の63.6%で、「官公庁・団体」(54.7%)「金融・保険」(52.8%)と続く。逆に「情報/広告」が23.6%と最も少なかった。

 一方、ドイツは「金融・保険」が68.8%と高く、「雑貨/医療」(64.6%)「精密/家電」(63.6%)と続いた。使用率が低いのは「外食・サービス」(41.3%)、「官公庁・団体」(44.1%)。

 調査は、日本が24年1月に約4000人、ドイツも同時期に約2000人の全国20~69歳の男女有職者を対象にそれぞれ実施。米国は23年2月に男女有職者約1900人を対象に調査した。