交差点で潮を吹く「クジラ」の正体は? 信号待ちで見られたらラッキー? ぴかぴかになって復活

AI要約

新潟県柏崎市にある青いクジラのオブジェが話題に。クジラの頭から潮が吹く仕様で、地下道の入り口として機能している。

クジラは地元のシンボルであり、夏季限定で10秒間にわたって水を吹き出す。地名にちなんだ要望でデザインされたが、詳細は不明。

地下道のクジラは地元の風物詩として愛されており、清掃活動や塗装のお知らせなど、地域に根付いた存在として大事にされている。

交差点で潮を吹く「クジラ」の正体は? 信号待ちで見られたらラッキー? ぴかぴかになって復活

クジラが1分に1回、潮を吹きます――。こんな文言とともにXに投稿された、青いクジラのオブジェの動画が話題になっています。その言葉通り、クジラの頭からは勢いよく「潮」が吹き出ています。新潟県柏崎市にあるという、このオブジェの正体を取材してみました。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮)

話題になっていたのは、柏崎市元気発信課のXアカウントが投稿した、このポスト。

「鯨波横断地下道のクジラ が、 1分に1回、10秒間潮を吹きます! 塗り替え後初めての潮吹きです。 ピカピカの姿をぜひご覧ください」

国道8号の交差点のすぐ近くに鎮座している、巨大な青いクジラのオブジェ。

頭部から勢いよく「潮」が吹き出しています。

Xでは「このクジラそんな仕様になってたのか…!!」「車で通りかかって信号待ちの時に見れるとラッキーな気分になれる」といった反応がありました。

クジラのオブジェの正体について、動画を投稿した柏崎市元気発信課に聞いてみました。

「あのクジラは、地下道の入り口になっているんです」

クジラの口にあたる部分がちょうど「鯨波横断地下道」の入り口となっているそうです。

地元の小学生が地下を通って道路を横断するなど、生活に欠かせない地下道となっています。

クジラの頭からは、1分に1回、約10秒間にわたって水が吹き出ます。これは夏季限定で、今年は8月下旬ごろまでだそうです。

それにしても、なぜクジラのオブジェなのでしょうか。

地下道を管理する北陸地方整備局柏崎維持出張所によると、この地下道が完成したのは1986年で、クジラは今年で38歳とのこと。

「地元の要望でクジラのデザインになったようですが、当時の詳しい経緯は分かりません。おそらく『鯨波』という地名にちなんだものだと思われるのですが……」

地下道の他にも、近くにはJR信越線の「鯨波駅」や海水浴場として有名な「鯨波海岸」など、鯨波という地名を冠した場所が多くあります。

この地名の由来も、「クジラがたくさん捕れたから」「クジラが浜辺に打ち上げられたから」など諸説あるようです。

ちなみに、頭から潮を吹く機能も「地元の要望で付けられたが、どんな意図だったのかは分からない」とのことでした。頭から出ている水は、普通の水道水だそうです。

この地下道のクジラの潮吹き、今では夏の風物詩になっており、柏崎市元気発信課では、毎年Xやフェイスブックでクジラの潮吹きが始まったことをお知らせしているそうです。

通学に使う小学生が清掃活動を行うなど、地元の住民にも愛されているクジラの地下道。今年3月に塗装を塗り直し、ぴかぴかになったばかりだそうです。

担当者は「地下道のクジラは地元のシンボル的存在です。今後も大事にしていきます」と話しています。