音楽プロデューサーが唱える「寄付の効率」 ITで挑む子どもの貧困

AI要約

音楽プロデューサーである今井了介さんが、子どもの貧困対策を目的としたプロジェクト「こどもごちめし」を立ち上げた経緯や取り組みについて紹介されている。

彼の音楽業界での経歴や起業のきっかけ、コロナ禍における活動の転換などが述べられている。

「こどもごちめし」の仕組みや支援の必要性、課題について言及されている。

音楽プロデューサーが唱える「寄付の効率」 ITで挑む子どもの貧困

■「ごちめし」で子どもの食を支援する音楽プロデューサー 今井了介さん(52)

 安室奈美恵さんが歌う「Hero」の作詞作曲などを手がけてきた。2018年、フードテック企業「Gigi」を立ち上げ、子どもの貧困対策に奔走する。

 東京都狛江市出身。1995年に音楽業界でのキャリアをスタートした。関わった楽曲の売り上げはCDで8千万枚、配信で1億ダウンロードに及ぶ。

 転機は東日本大震災。衣食住がそろっていないと、音楽のようなエンタメは受け入れられないと痛感した。食の分野に興味を持ち、起業のアイデアを練った。

 友達に飲食店での「ごちそう」をプレゼントする「ごちめし」を始めたが、ほどなくコロナ禍に。客足が激減した飲食店支援に切り替え、「さきめし」と名付けて展開した。全国から「助かりました」との声が届いた。

 ほぼ同じ仕組みを、子どもの食への支援に応用し、2023年7月に「こどもごちめし」を始めた。事前に登録した子どもたちに、地域の飲食店で無料で食事をしてもらう。かかった費用は、個人や企業から集めたお金でまかなう。

 「寄付経済効率」を唱え、支援も登録もすべてウェブで完結させる。支援金の9割が子どもの飲食費に充てられる。

 先進国でも高いとされる相対的貧困率を反映するように、「こどもごちめし」への登録は急増している。一方で、支援は追いついていないという。「子どもが食べるのに困らない社会、大人の手でつくりませんか」(久保智)