中古スマホの自動買い取り機、福岡県で国内初の実証実験

AI要約

中古スマートフォン市場が拡大し、福岡県内で自動買い取り機の実証実験が始まる。

中古スマートフォンの販売台数が過去最高を記録し、新品価格の上昇が背景に。

消費者が新品よりも中古を選ぶ傾向が高まっている。

中古スマホの自動買い取り機、福岡県で国内初の実証実験

 中古スマートフォンの市場が拡大している。新品価格が上昇する中、コロナ禍でオンラインでの買い取り販売やフリマアプリが普及し、中古スマホの国内販売台数は2022年度、過去最高の234万台を記録した。そんな中、福岡県内では、自動買い取り機を設置する実証実験が国内で初めて始まった。家庭に眠る携帯電話端末の総価値は6兆円規模と推計され、中古市場は今後も成長が見込まれる。

 福岡市西区の商業施設「木の葉モール橋本」に置かれているiPhone(アイフォーン)専用の自動買い取り機「タンスマ」(高さ175センチ、横幅60センチ)。この日持ち込まれた中古のアイフォーン7(シルバー、32ギガバイト)をケーブルに接続すると、バッテリーの劣化具合や不正部品の有無、盗品かどうかをチェック。内蔵のカメラが端末の傷やひびの状態を確認した。

 この実証実験は、住友商事が3月から福岡県内で開始。査定は10分ほどで終わり、買い取り額は9260円。お金は後日、スマホ決済などで支払われる。

 タンスマは、ディスカウントストアのMrMax(ミスターマックス)などにも設置。6月末時点で計13台が200人以上を査定した。実証実験は10月末までの予定で、住友商事の担当者は「日常的に利用する場所で気軽にスマホを売却できる仕組みを構築していきたい」と話した。

 民間調査会社のMM総研(東京)によると、22年度の中古スマホ販売台数は過去最高の234万台で、前年度比10・4%増えた。4年連続の増加で、きっかけの一つが19年の電気通信事業法改正だ。

 それまでセットだった端末代と通信料が分離され、端末代を安くした分を通信料に上乗せすることができなくなったことに加えて、端末の値引きも制限されるように。円安や部材費高騰の影響で、一部の新品価格は20万円近くに上昇した。

 ある中古取扱業者は「近頃の最新機種は機能面の著しい進化が少なく、『中古で十分』と考える消費者が増えた」と実情を明かす。発売から4~5年過ぎた中古機種は半額ほどで購入できるものもあるという。