ST、イタリアに完全統合型の200mmウエハー対応SiC製造施設を建設へ

AI要約

STMicroelectronicsは2024年5月31日にイタリアのカターニアに200mmウエハー対応SiCデバイス製造施設を建設すると発表。

建設される施設は「Silicon Carbide Campus」として、2026年に生産を開始し、2033年までにフル稼働を目指す。

この施設によりSTは自動車/産業分野の顧客に向けるSiC技術のリーダーシップを強化し、電動化や脱炭素化に向けたエネルギー効率の高いソリューションを提供する予定。

ST、イタリアに完全統合型の200mmウエハー対応SiC製造施設を建設へ

 STMicroelectronics(以下、ST)は2024年5月31日(スイス時間)、イタリアのカターニアに200mmウエハー対応SiC(炭化ケイ素)デバイス製造施設を建設すると発表した。研究開発や製品設計からパワーデバイス/モジュールの製造、テスト、パッケージングまでを一貫して行うという。投資総額は50億ユーロ(約8500億円)を予定し、うち20億ユーロ(約3400億円)は欧州半導体法の枠組みでイタリア政府が支援する。

 同施設を建設する敷地内では既にSiC基板の製造施設も準備が進んでいて、STはこれらの施設を合わせて「Silicon Carbide Campus」と称している。Silicon Carbide Campusは2026年に生産を開始し、2033年までにフル稼働することを目指す。フル稼働時には1週間あたり1万5000枚のSiCウエハーを生産する見込みだという。

 STの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるJean-Marc Chery氏は、「Silicon Carbide Campusが実現する完全統合の製造能力は、今後数十年にわたって自動車/産業分野の顧客に対するSTのSiC技術のリーダーシップ強化に大きく貢献するだろう。このプロジェクトが提供する規模と相乗効果は、大量生産能力でより優れたイノベーションを可能にするとともに、電動化と脱炭素化に向けてよりエネルギー効率の高いソリューションを求めている顧客に利益をもたらすことになる」とコメントしている。