岩井俊二監督、撮影途中にタイトル変更 『キリエのうた』は『路上のルカ』の予定だった

AI要約

シンガーのアイナ・ジ・エンドと映画監督の岩井俊二氏が25日、都内で行われた『路上のルカ』ワールドプレミア上映に登壇。アイナと岩井監督がタッグを組んだ映画『キリエのうた』に追加シーンを加えた全10話のドラマ版が完成。岩井監督は撮影の途中まで『路上のルカ』というタイトルだったことを明かし、タイトル変更の経緯も語った。

ドラマ版は5時間半を超える作品で、撮影中には台本が白紙だったという。岩井監督はクランクアップ後に役者たちにタイトル入りの表紙をプレゼントしていたことを回想し、タイトル変更の必要性について説明。『キリエのうた』が物語とタイトルが噛み合っていると感じたため、タイトルを変更したと述べた。

物語は、少女ルカが大阪から東京へと旅する過程や人々との交流、運命に翻弄されながらも懸命に生きる姿を描いている。『路上のルカ』は28日にテレビ初放送される予定。

岩井俊二監督、撮影途中にタイトル変更 『キリエのうた』は『路上のルカ』の予定だった

 シンガーのアイナ・ジ・エンドと映画監督の岩井俊二氏が25日、都内で行われた『路上のルカ』ワールドプレミア上映に登壇した。アイナが岩井俊二監督とタッグを組んだ映画『キリエのうた』に追加シーンを加えた全10話のドラマ版が完成。岩井監督は「撮影の途中まで(映画版に)『路上のルカ』というタイトルだった」と明かした。

 ドラマ版では5時間半超えとなる今作。岩井監督は「台本が白紙だったんだっけ?クランクアップでタイトルとサインを描いて表紙を作って役者さんにお土産として、わたすのをやっていた。たしか(松村)北斗くんには『路上のルカ』と書いてわたしたので、その後、タイトルが変わって申し訳なかった」と回想。

 変更の理由について岩井監督は「『キリエのうた』は『路上のルカ』は噛み合わなくて。物語の流れが違うとタイトルも変えないといけないんだ。タイトルって自分のなかでお客さんとの約束、契約書というか。タイトルと中身が違って感じると面白い映画も面白くなくなってしまう。タイトルは大事なので吟味するのですが、今回それで『キリエのうた』が一番合っているな、と」と説明。『路上のルカ』完成に際して「長い方はこれは『路上のルカ』だと。その違いをきょうは楽しんでほしい」と呼びかけていた。

 大阪で放浪生活を送っていた少女・ルカ(アイナ・ジ・エンド)は小学校教師のフミ(黒木華)に保護される。成長したルカは姉の恋人だった夏彦(松村北斗)と北海道帯広で過ごし、女子高生マオリ(広瀬すず)との友情を育むが、彼女を待ち受ける運命は常に過酷であった。

 東京にたどり着いたルカはミュージシャンとなり、“キリエ”と名乗り路上で歌い始める。そこで再会したマオリは“イッコ”と名乗り、変幻自在なコスプレと男性関係で東京を生き抜いていた。石巻、大阪、帯広、東京。運命に翻ろうされながらも懸命に生きるルカによって紡がれる壮大な歌の抒情詩。『路上のルカ』は28日午後6時30分から、日本映画専門チャンネル独占テレビ初放送される。