朝ドラ『虎に翼』は“おじさん3人組”が好き放題しすぎ?愛すべきキャラ渋滞から目が離せない

AI要約

主人公を取り巻く愛すべきおじさんたちのキャラ立ちが魅力的であり、特におっさんズのコミカルなやり取りが楽しい。

おっさんズは主人公の成長を支える存在であり、穂高重親の退任と死去により結束が強まる。

穂高の悼む酒の席で、桂場が気難しい一面を見せる愉快なエピソードが描かれる。

朝ドラ『虎に翼』は“おじさん3人組”が好き放題しすぎ?愛すべきキャラ渋滞から目が離せない

 松山ケンイチも沢村一樹も滝藤賢一も、ちょっと好き放題過ぎやしないか(特に松山の皿をがじがじ!)?『虎に翼』(NHK総合)に出演するおじさん俳優たちのキャラ立ちがすさまじいのだ。

 主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の周りをぐるぐる駆け回るおじさんたちあってこそではある。彼らの絶妙な掛け合いが毎朝の楽しみですらあるのだから。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、愛すべき“おっさんズ”たちに注目しながら、『虎に翼』第15週を解説する。

『虎に翼』のおっさんたちがいい。主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)が、法律の道を志す直接的な理由になったと言っても過言ではない人事課長・桂場等一郎(松山ケンイチ)。大名家の生まれでありながらアメリカナイズされた、ライアンこと、久藤頼安(沢村一樹)。

 それから、家庭裁判所の父と呼ばれ、ちょっと豪快な人柄の多岐川幸四郎(滝藤賢一)。戦後の最高裁判所を根っこから支える、愛すべきおっさんズだ。いつでもコミカルなやり取りで、キャラを渋滞させている。

 戦中に女性初の弁護士になり、戦後まず判事補になった寅子の成長を押し上げる人たち。彼らの存在はあまりに大きい。法の下にそれぞれ奮闘する様は、愛と情熱の賜物だ。

 そんなおっさんズが、心からリスペクトしていたのが、法学者で最終的には最高裁判所判事のひとりになる穂高重親(小林薫)。寅子を明律大学女子部へ導いたきっかけになった大人物。

 でも老年の穏健派精神が寅子の逆鱗に何度も触れた人でもある。とはいえ、穂高によるゆるやかな連帯があったから、おっさんズの結束は固く守られてきたのだと思う。

 第14週第70回、最高裁判所判事を引退したあと、穂高はこの世を去る。穂高を悼む酒の席。一番乱れたのは桂場だった。飲むペースを速めて、しまいには皿をがじがじとかじって口が血だらけ。への字型に固く結んだ口を口角あげあげのにんまり顔を初めて見せた。おっさんズの中では一番気難しい人の愉快な乱行。