「ガンキャノン」がシールドを装備していないのはなぜ? 理由は”重さ”なのか【ガンダム】

AI要約

地球連邦軍のモビルスーツ「ガンキャノン」の設計に関する疑問点を解説しました。ガンキャノンは砲撃戦に特化した機体であり、白兵戦や防御面で不利な装備構成になっていたことが課題でした。

ガンダムのような白兵戦用のMSが大量配備されていなかったことや、友軍の支援が限定されていたことから、ガンキャノンが敵MSに接近される状況がしばしば描かれました。

装甲は強力であるものの、シールドやビームサーベルの欠如が不利となり、後継機であるジムキャノンIIではその点が改善されていたことが示唆されました。

「ガンキャノン」がシールドを装備していないのはなぜ? 理由は”重さ”なのか【ガンダム】

『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍のモビルスーツ(MS)「ガンキャノン」は、「ガンダム」「ガンタンク」と同じ連邦軍の兵器開発計画「V作戦」により開発された機体で、ビームライフルと240mmキャノン砲で中距離砲撃支援を行うMSという設定です。

 このガンキャノンは名称通り、砲撃戦に特化した機体であり、ビームサーベルもシールドも装備していません。結果、劇中ではジオン軍のMSにたびたび接近戦を挑まれ、苦戦を強いられています。

 本来は、白兵戦用のガンダムがもっと大量に存在して、敵MSの接近を阻止してくれる前提だったのだと思われます。実際は、ホワイトベースに積み込まれたガンダム、ガンキャノン、ガンタンクは1機ずつだけで、あとは修理部品があるだけだったため、ガンキャノンやガンタンクに敵機が接近する描写も多く見られました。

 ここで筆者が不思議に感じたのは、「ミノフスキー粒子」の存在により、レーダーが効かないため、有視界戦闘を前提として設計されたMSなのに、なぜ「接近戦は起こらない」という装備構成となり、かつ接近戦を挑まれる戦訓を得ても、改善されなかったのかということです。

 ホワイトベースが地球降下するまでは、友軍の支援が得られない状況なので仕方がありません。しかし、ガンキャノンは「グフ」のヒートロッドで撃破されかけ、手足で「ザクII」に白兵戦を挑むような状況でした。にもかかわらず、「マチルダ・アジャン」が「ミデア」で補給物資を運んできても、ガンキャノンの白兵戦用武器や、シールド装備は送られてはこないのです。

 一方で、ガンキャノンの装甲はザクIIの5~6倍の強度があるようで、実際、ドムの「ジャイアント・バズ」に耐える描写もあります。が、第1話ではザクIIのマシンガンで破壊される描写がありますし、ア・バオア・クー戦ではザクIIのバズーカで足が破壊される描写もありますから、とても「シールド不要の防御力」とは言えません。

 また、ガンダムのシールドは防御力が高いだけでなく、おとりや目くらましといった戦術面でも活用されているものですから、シールドのない不利は大きかったと思われます。そして、ビームサーベルを装備していれば、ザクIIとの戦闘はもっと楽だったでしょうし、「ズゴック」に両腕をつかまれもしなかったかもしれません。

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する、量産型ガンキャノンは「白兵戦能力が低い」ことが改善されていない上に、装甲までダウングレードされたので、「ケンプファー」に瞬時に撃破されていました。

 実際、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーが落ちた地で…』の「ジムキャノン」は、ビームサーベルを装備していました。ガンダムと同じジェネレーター出力であり、ビームライフルも使えるガンキャノンが、ビームサーベルを使えないとは思えません。

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する「ジムキャノンII」は、シールドとビームサーベルを装備しており、ガンキャノンの改良すべき点と認識されていたこともうかがえます。

 では、劇中のガンキャノンにシールドとビームサーベルが装備されなかった理由はなんでしょうか。筆者は「重量問題」だと推察します。