ナワリヌイ氏の妻ナワルナヤ氏に逮捕状 「過激派社会に参加」の疑いでロシア裁判所

AI要約

モスクワの裁判所が反政権派指導者である亡夫の妻、ユリア・ナワルナヤ氏に過激主義の容疑で逮捕状を発行した。

ナワルナヤ氏は外国に住むため、ロシアに入国した場合逮捕されることになり、夫の仕事を続けることを誓ったと報道されている。

ナワルナヤ氏は夫の死因についてプーチン大統領を非難し、欧米の指導者と面会しており、人権擁護団体の会長に選出された。

ナワリヌイ氏の妻ナワルナヤ氏に逮捕状 「過激派社会に参加」の疑いでロシア裁判所

モスクワの裁判所は9日、ユリア・ナワルナヤ氏に対し、過激主義の容疑で逮捕状を発行した。ナワルナヤ氏は、近年のロシアで最も著名な反政権派指導者で、今年2月に収監されていた北極圏の刑務所で死亡したアレクセイ・ナワリヌイ氏の妻。

国営タス通信によると、現在、ロシア国外に住むナワルナヤ氏は、「過激派社会に参加した」として訴追された。

夫のナワリヌイ氏は生前、禁錮19年の実刑判決を受け、収監されていた。ウラジーミル・プーチン政権の政治的な動機に基づく措置だと広く受け止められていた。

当局は、ナワリヌイ氏は自然死だったとしている。しかしナワルナヤ氏は、夫はプーチン大統領に「拷問され、飢えさせられ、連絡手段を断たれ、殺された」と非難している。

モスクワの裁判所は今回、夫の仕事を継続すると誓ったナワルナヤ氏を拘束すべきだとし、指名手配を決定した。

これにより、ナワルナヤ氏はロシアに足を踏み入れた場合、逮捕されることになる。

今回の容疑は、2021年6月にモスクワの裁判所が出した、ナワリヌイ氏に関連する3組織を「過激派」と認定し、違法とした判決に関連している可能性がある。

自身に対する逮捕状が出たことについて、ナワルナヤ氏はソーシャルメディアに、「これについて書くときは、最も重要なことを忘れないでほしい。ウラジーミル・プーチンは殺人犯であり、戦争犯罪人だということを」とつづった。

「プーチンの居場所は刑務所であり、ハーグ(国際刑事裁判所)の居心地の良い、テレビのある独房ではなく、アレクセイを殺したのと同じ、ロシアの刑務所の2×3メートルの独房であるべきだ」

ナワルナヤ氏はロシア国外にいるため、3月にロシアで執り行われたナワリヌイ氏の葬儀にも参列できなかった。

それ以来、ナワルナヤ氏はジョー・バイデン米大統領を含む多くの欧米の指導者と面会している。

今月には、アメリカを拠点とする人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ファウンデーション」の会長に選出された。

就任にあたってナワルナヤ氏は、ナワリヌイ氏が続けていたプーチン大統領との闘いをさらに推し進めるために、この役職を活用すると語った。

(英語記事 Russian court orders arrest of Yulia Navalnaya)