チャールズ国王、即位から"わずか2年"で「3人目となる首相」を任命

AI要約

チャールズ国王は7月5日、労働党のキア・スターマー党首を新首相として任命した。これでチャールズ国王にとって3回目の首相任命となる。

スターマー新首相はバッキンガム宮殿で君主の挨拶を受け、内閣を樹立する権限を得た。その後、国民に向けたスピーチを行い、スナク前首相への感謝も述べた。

政治的混乱を経ての首相交代で、スターマー首相はエリザベス女王の逝去後、3人目の首相となった。

チャールズ国王、即位から

チャールズ国王は7月5日(現地時間)、前日に実施された総選挙で圧勝した労働党のキア・スターマー党首を新たな首相に任命した。これは、即位からまだ2年がたたない国王にとって、3回目となる首相の任命。

バッキンガム宮殿内の君主のシッティングルーム(客間兼用の居間)でチャールズ国王と面会したスターマー氏は、儀礼としての君主への挨拶、「kissing of the hands(キッシング・オブ・ハンズ、首を曲げる会釈をし、君主の手にキスする)」を行い、正式に新たな首相となった。

この儀礼は、アメリカの大統領などが就任時に行う「宣誓就任式」と同じ意味を持つもの。新首相はこのとき、君主の名のもとに新たな内閣を樹立することを承認される。

バッキンガム宮殿を出ると、スターマー新首相はダウニング街10番地(首相官邸)の前で国民に向けたスピーチを行い、次のように述べた。

「いま、バッキンガム宮殿から戻りました。国王陛下から、この偉大な国の次の政権の樹立を認められました」

また、新首相は同じ日の午前に国王に辞任を報告したリシ・スナク前首相(兼第一大蔵卿)への感謝の言葉を送るとともに、次のように語った。

「私たちの国にとって初のアジア系イギリス人の首相となった彼がそれを成し遂げるには、人一倍の努力が必要だったに違いありません。いかなる人も、そのことを過小評価してはなりません。私たちは今日、その功績に敬意を表します」

スナク前首相は同時に、選挙での敗北を受けて保守党の党首も辞任している。

エリザベス女王の逝去を受け、チャールズ国王が即位した2022年9月以降、スターマー首相は3人目のイギリス首相となる。政治が“大混乱”したこの間には、ボリス・ジョンソン首相の退陣を受けてリズ・トラス氏が就任するも、経済政策への反発によってわずか44日間で辞任。その後を引き継いだのが、スナク氏だった。

ロイヤルは常に、政治的には中立姿勢を保っている。スナク前首相が5月24日に総選挙の実施を決定した後、バッキンガム宮殿は、「チャールズ国王とウィリアム皇太子はどちらも、選挙戦に対する国民の関心を削ぐことがないようにするため、公務のスケジュールを変更します」と発表していた。