日本政府が厳重抗議 中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言で

AI要約

台湾新総統の就任式への国会議員の出席をめぐり、中国大使の発言に関する厳重な抗議が行われたことが明らかとなった。

中国大使の発言に対し、日本政府の立場を強調し、対話による平和的解決を期待する姿勢を示すと共に、首脳間での立場の伝達を行う考えを表明した。

台湾独立勢力への加担を非難する中国大使の発言について、31人の国会議員が台湾の就任式に出席し、中国の姿勢との対立が浮き彫りになっている。

日本政府が厳重抗議 中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言で

 台湾新総統の就任式への国会議員の出席をめぐり、呉江浩・駐日中国大使が「中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と述べたことについて、林芳正官房長官は22日の記者会見で中国側に厳重に抗議したことを明らかにした。

 林氏は呉氏の発言について、「在京大使の発言としてきわめて不適切であると考えており、ただちに厳重な抗議を行った」と説明。「台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待する」との日本政府の立場をあらためて強調したうえで、こうした立場を首脳間を含めて伝えていく考えを示した。

 20日に台湾で開かれた頼清徳(ライチントー)新総統の就任式には、超党派でつくる国会議員連盟「日華議員懇談会」の31人が出席した。過去最大規模の出席となり、呉大使は同日、「公然と台湾独立勢力に加担するもの」などと非難していた。(笹川翔平)