政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視

AI要約

政府は頼清徳新総統の下で台湾との関係強化を図る考えで、台湾支援の姿勢を示す。

日台の協力と交流を深化させる方針を表明し、日本政府関係者の参加がない中、超党派議員連盟が31人が参加した。

台湾の国際社会における存在感低下が日本の安全保障に与える影響を考慮し、台湾承認国との外交強化を進める政府の取り組みが進行中。

政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視

政府は20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。外交関係がない日台の枠組みは「非政府間の実務関係」だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。

林芳正官房長官は20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。

日台に外交関係がないことから20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党)から過去最大規模となる31人が参加した。古屋氏は就任式に先立ち、「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」と語った。

台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。政府内には「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部)との認識がある。

こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。岸田文雄首相は今月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグラテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。