中国船「だんだん島の近くに」 尖閣で対峙の漁業者危機感

AI要約

石垣市の尖閣諸島周辺で中国海警局の船と対峙した市議らの証言。

日本の海上保安庁の対応や中国船の振る舞いなど、緊迫した状況を詳細に報告。

対立が激化している尖閣問題について、国会議員や政府の対応に批判が集まっている。

中国船「だんだん島の近くに」 尖閣で対峙の漁業者危機感

 19~20日に石垣市の尖閣諸島周辺に出漁した市議の仲間均氏らは21日、八重山日報の取材に応じ、現場で長時間、中国海警局の艦船と対峙した状況を証言。「中国船がだんだん島に近づいている。情勢は悪化している」と危機感をあらわにした。

 仲間氏の漁船「鶴丸」には、仲間氏のほか、いずれも漁労歴が長い竹富町議の山下義雄氏、医師の門間一成氏が乗り込んだ。19日午後5時ごろ、石垣島から出港し、20日午前1時ごろ、尖閣周辺に到着した。

 中国艦船は「海警1301」と、機関砲らしきものを搭載した「海警1305」が待ち構えており、ただちに「鶴丸」の追尾を開始した。

 海上保安庁の巡視船が鶴丸をガードしたが、中国艦船は、鶴丸と一時、約50㍍まで距離を詰めてきたという。

 門間氏によると、海保の巡視船は鶴丸周辺に集結したが、その隙を突くように中国艦船は魚釣島に接近。「中国船のほうが島の近くを航行していたので、どちらが島を守っているのか分からず、立場が逆転したような状況だった。日本は、本来は中国船を拿捕(だほ)するくらいでないといけない」と指摘した。

 大しけのため釣果は振るわず、鶴丸は20日午後2時過ぎに漁を中止したが、中国艦船2隻はその間、一刻も鶴丸から離れようとしなかった。鶴丸が引き返し始めたあとも、尖閣諸島と石垣島の中間近くまで執拗に追尾してきたという。

 仲間氏は「国会議員は『台湾有事』というが、尖閣の問題には一向に手を付けようとはしない。政府は早く対策を講じる必要がある」と訴えた。