台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ

AI要約

台湾の新総統である頼清徳が正式に就任し、中国との関係や国内政策について演説を行った。

頼氏は現状維持を強調し、中国との平和共存を掲げる姿勢を示した。

中国の圧力や統一圧力への対処や、台湾の安全保障と国際協力も重要な政治課題となる。

【台北=西見由章】1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。中国の習近平政権は頼氏を「台湾独立派」とみなして警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。

頼氏は就任演説で、対中関係を巡り「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」との立場を表明し、中国とともに「平和と共栄」を追求する姿勢を強調する。

頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、「国父」とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。

中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。頼政権は「現状維持」に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。

頼氏は演説で、蔡氏が主張した「台湾と中国は互いに隷属しない」とする立場の継承を表明。台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。