「誰が主役か決まらないうちに幕が上がっちまった」…総裁選を前に「麻生太郎氏」の懊悩…リーフレット問題の「高市」を支援するのか、それとも

AI要約

総裁選の最終局面が近づく中、候補者たちの構図が明確になりつつある。

高市氏が増長する中、リーフレット問題が波紋を広げている。

麻生派が分裂し、決選投票での団結が鍵を握る状況にある。

「誰が主役か決まらないうちに幕が上がっちまった」…総裁選を前に「麻生太郎氏」の懊悩…リーフレット問題の「高市」を支援するのか、それとも

 総裁選の投開票まで1週間を切り、決選投票を見据えた構図が定まりつつある。

 日本テレビが9月12日に実施した党員・党友調査によれば、1位が石破茂氏、2位が高市早苗氏、3位が小泉進次郎氏だった。

「事実上、この3人の争いとなっています」

 とは政治部デスク。

「最近になって討論会での議論の“薄さ”が指摘されている小泉さんは世論調査での下落傾向が浮き彫りになってきました。代わりに浮上してきているのが高市さんです。しかし、ここに来て他陣営から“リーフレット問題”が蒸し返される事態になっています」

 今月3日、党の選挙管理委員会は「個別のリーフレット送付」を禁止とした。それに対し、高市氏は全国の党員30万人強に対し、自身の政策リーフレットを送付。このところの支持率上昇はこの「リーフレット」の効果ではないのか、と物言いがついているのだ。

 高市氏サイドはこのリーフレットについて党選管が禁止を決める前に原稿を書き上げ、発送を完了したと主張。18日には、地元・奈良の高市事務所の所長が会見する事態にまで発展した。

 その会見でも、

・リーフレットでは総裁選については一切触れておらず、投票依頼はしていない

・定期的に国政報告をしている中で、今回は本の執筆を優先し、後援会報に掲載する原稿を書き上げたのが7月末だった

・8月中に発送を完了するよう業者に依頼していた

・他陣営でもリーフレットや総裁選の投票を募る手紙を投じている

 と、従来の主張を繰り返していた。

 こうした事態に悩みを深めるのが、党の実力者である麻生太郎・自民党副総裁である。

 そもそも、麻生氏は今回の総裁選で河野太郎氏を支援することを打ち出していた。だが、麻生派内には、河野氏の政治姿勢や政策に“アレルギー”を持つ議員が少なからずいる。河野氏は持論である脱原発を封印するなどしたものの、麻生派が一致結束して河野氏を支援する体制には至らなかった。

 結果、麻生派の議員らは複数の陣営に散らばる事態となっている。

 推薦人を見た時に麻生派の議員が多いのは、河野陣営と上川陽子陣営だ。この点を持って、「麻生氏が上川陣営に推薦人を貸した」とする見方もある。ただ、そう簡単な話でもないと麻生派関係者は言う。

「実は上川陣営に集っている麻生派議員はそれぞれの事情でバラバラに支援しているに過ぎません。上川さんとの個人的なつながりがある議員や河野さんのスタンスを危ぶむ議員もいます。ただ、推薦人が足りない上川さんを最後の最後に助けたのが、さる麻生派の議員です。その人がいなければ上川さんは出馬すらできませんでした」

 1回目の投票ではバラバラな動きになるものの、決選投票になった時に麻生派が塊として動くかどうか、は総裁選の行方を左右する。麻生派に所属する議員は56人。それが塊となれば、2回目の投票でキャスティングボートを握ることになるのだ。

「その場合、誰が決選投票に残るか、が非常に重要です。麻生さんの石破嫌いは有名ですが、実は進次郎さんのこともあまり評価していない。“国家観がない”というのがその理由です。そのため、石破・小泉は支援できないと見られていましたが、実は石破さんに関しては受け入れる余地がなくもなかったのです」(同)