「LINEで警察手帳画像」に違和感 詐欺から高齢者守った2人に感謝状 奈良県警生駒署

AI要約

奈良県警生駒署が高齢者の特殊詐欺被害防止に貢献した2人に感謝状を贈呈した。

今橋啓次さんは銀行でATM操作する高齢夫婦を見つけ、詐欺の可能性を察知し交番まで連れて行った。

植村聡美さんも現金を引き出せないと相談され、警察を装う詐欺に違和感を覚え、110番し未然に防止した。

「LINEで警察手帳画像」に違和感 詐欺から高齢者守った2人に感謝状 奈良県警生駒署

高齢者の特殊詐欺被害防止に貢献したとして、奈良県警生駒署は生駒市在住の会社員、今橋啓次さん(53)と南都銀行生駒支店のパート従業員、植村聡美さん(55)の2人にそれぞれ感謝状を贈呈した。いずれも被害に遭いかけていた高齢者の言動に違和感を抱き、すぐに行動に移したことが功を奏した。

今橋さんは7月、生駒市内の銀行を訪れたときに、高齢夫婦が携帯で通話しながらATMを操作しているのを見つけた。県警のユーチューブアカウントなどで詐欺防止の啓発動画を見たことがあった今橋さんは「おかしい」と思い、「詐欺に遭っているのではないですか。一緒に交番に行きましょう」などと声をかけて夫婦を生駒駅前交番まで連れて行った。

署員が事情を聴いたところ、医療費の還付金手続きを装い50万円を振り込ませようとする特殊詐欺だったことが判明した。

一方、植村さんは7月、勤務中に高齢女性から「ATMで制限がかかって現金を引き出せない」と相談があり、現金の使い道を尋ねると「守秘義務がある」「警察とやりとりしていてLINE(ライン)で警察手帳の画像も送られてきた」と言われた。銀行で詐欺被害について研修を受けていた植村さんは違和感を覚え、上司を通じて110番した。

県警の事情聴取で警察官をかたる人物による特殊詐欺だと判明。女性が引き出そうとしていた50万円と、他行ですでに引き出した150万円は振り込まずに済み、被害を未然に防止した。

山本英二署長から感謝状を受け取った今橋さんは「夫婦の生活資金が守れてよかった」と振り返り、植村さんは「今後も被害防止に努めたい」と話した。