「雑木林から200体以上の死体が見つかった」火葬場職員が遺体から脳を取り出し、高額で転売…群馬で“日本を揺るがす大事件”が起きてしまったワケ

AI要約

群馬県桐生市で起きた「桐生火葬場事件」について、火葬場職員が遺体から脳漿を盗んで高額で売りさばく事件が発生した。

事件の詳細は、警察が砂地に20体の遺体を埋めていたという自白を受け、遺体が次々と掘り出される壮絶な光景が描かれた。

犯人によると、遺体は生焼けのものから白骨と化したものまで様々で、子どもの遺体や最後の贈り物も多数見つかった。

「雑木林から200体以上の死体が見つかった」火葬場職員が遺体から脳を取り出し、高額で転売…群馬で“日本を揺るがす大事件”が起きてしまったワケ

〈「遺体から脳を盗み、高額で売りさばいていた」群馬の火葬場で“日本を揺るがす大事件”が発覚するまでの経緯〉 から続く

 故人のご遺体を火葬し、その人生を締めくくる場所「火葬場」。今でこそクリーンな運営をしている場所が多いが、かつては火葬場で陰惨な事件が起きていたこともある。

 1933年に起きた「桐生火葬場事件」もそのひとつだ。群馬県桐生市で火葬場職員が、火葬場に運ばれてきた遺体から脳漿(脳のまわりを満たしている液)を盗み、高額で売りさばいていたとして、当時、日本中で話題になった。

 なぜこんな事件が起きてしまったのか。犯人はどのような経緯で犯行に及んだのか。ここでは、元火葬場職員・下駄華緒氏が、火葬場で起きた事件を徹底調査してまとめた書籍 『火葬場事件簿 一級火葬技士が語る忘れ去られた黒歴史』 (竹書房)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/ 1回目から続く )

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 M井は火葬場敷地の南西隅の砂地に多くの遺体を埋めたと自白した。そこで警察が大勢の人手を動員して掘り返したところ、完全な遺体がなんと20体。骨盤のみしかないような不完全な遺体が10体も掘りだされた。

 作業員がシャベルを地面に差し込むとコツンという音がする。それが骨に当たった音だ。掘ればそこに遺体が埋まっている。また、雑に足で掘ったとしても、骨がポロっと転がりだすほどだった。

 大半は生焼けになった死体だったが、すでに白骨となっているものや、まだ埋められてから日が経っておらず皮膚が少し腐った程度のものもあった。それらが累々と積み重ねられた現場は相当に異様な雰囲気だったという。

 当時の新聞報道によると、「まるで地獄」「悪臭嘔吐を催すばかり」「警察當局も余りのことにぼう然たるばかりである」などと書かれており、その壮絶さがうかがえる。

 遺体と一緒に、着ていた服や布団も次々に掘りだされたほか、子どもも多く埋められていたようで、ゴム製のおしゃぶりや馬のおもちゃなど、子どもへの最後の贈り物と思しきものもあった。

 こうした遺体などが次々に掘りだされたので、最終的には広さ約2坪、深さ約6尺(180メートル)の大穴があいてしまった。

 ほかにも、火葬場の塀の外にある雑木林からも次々と遺体が見つかり、捜査開始からわずか数日で、なんと計200体を超える遺体が見つかった。M井によれば、敷地の隅どころか、火葬場の付近一帯に埋めていたという。