宇宙船スターライナー無人で帰還 不具合で有人飛行試験中断

AI要約

新宇宙船スターライナーが無人でISSから帰還し、米ボーイングの課題が明らかに。

有人飛行試験の不具合により有人帰還を断念、設計改良が必要な状況。

NASA計画の難航や費用超過、クルードラゴン利用の変更についても説明。

 【ワシントン共同】米ボーイングの新宇宙船スターライナーが7日、国際宇宙ステーション(ISS)から無人で米西部ニューメキシコ州に帰還した。6月、米国の飛行士2人を乗せて有人飛行試験を始めたが、機体の不具合が相次ぎ、有人帰還を断念した。大気圏に突入するとパラシュートで減速し、最後は下部のエアバッグを膨らませ着地した。同社は飛行データを精査し、設計や運用方法の改良を検討する。

 既に運航しているスペースXのクルードラゴンに次ぐ2種類目の有人輸送サービスを民間調達するという米航空宇宙局(NASA)の計画は難航。7年の開発遅れと16億ドル(約2300億円)ともいわれる費用超過に苦心するボーイングに、さらなる負担がのしかかる。

 NASAは今月24日にもクルードラゴンでISSに向かう定期滞在の飛行士を4人から2人に減らし、空いた座席を来年2月の帰還の際、スターライナーに乗ってきたバリー・ウィルモア(61)、スニータ・ウィリアムズ(58)の両飛行士に割り当てる。