夏は目薬も腐る⁉ 手作り目薬は最悪失明も…目を守るために知っておきたい4つの知識を眼科専門医が解説 SNSでバズった「1滴だけ出す秘密のテクニック」も

AI要約

目薬の保存方法や使い方を間違えると、期待する効果が得られず、逆に目の病気を引き起こす可能性がある。

目薬は室温で保存する必要があり、温度管理に注意が必要。

冷蔵庫内での目薬の保管が推奨されるが、一部の目薬は適さないため、添付文書を確認することが重要。

夏は目薬も腐る⁉ 手作り目薬は最悪失明も…目を守るために知っておきたい4つの知識を眼科専門医が解説 SNSでバズった「1滴だけ出す秘密のテクニック」も

さまざまな目の病気を改善する目薬。しかし、その保存方法や使い方を間違えると、期待する効果を得られないどころか、逆に目の病気を引き起こしたり、最悪、失明することも…。今までSNSで反響のあったポストを中心に、目薬の正しい使い方について眼科専門医が解説する。

目薬のほとんどは室温で保存する必要があります。適切に保存をしないと、目薬の成分が化学変化を起こしてしまい、期待する効果が得られない場合があるからです。

そこで、適切な管理が必要なのですが、室温を「部屋の中であれば大丈夫」と勘違いして、そのまま部屋に目薬を置きっぱなしにしている方が少なくありません。しかし、それでは適切な管理ができていない恐れがあります。

日本薬局方(厚生労働省から出されている医薬品の基準書)によって、室温保存は1~30℃と定められています。ところが、ここ最近の夏は30℃を超えない日はないくらい、暑い日が続いています。そのため、部屋の温度は30℃を超えている場合があります。逆に、冬の北海道などの地域は0℃を下回ることも多く、いずれの場合も室温保存に適さない温度になっています。

これら室温を空調で調整している場合は良いのですが、外出時など、空調の調整ができない場合は注意が必要です。そのまま目薬を室内に置いておくと、効果が弱まったり、逆に濃度が上がり、効果が強くなる恐れがあります。

そこで、おすすめしたい管理方法が、冷蔵庫で目薬を保管するという方法です。冷蔵庫のポケットなどは水も凍らない温度に保たれています。この場所は室温保存の基準に入っており、目薬の保管場所としては最適です。

ただし、冷蔵庫内には温度が低い場所があります。それは冷気口です。冷気口の近くに目薬を置くと、目薬が凍結する恐れがあるため、冷気口近くには目薬は置かないでください。もし凍ってしまった場合は、その目薬は使わないようにしましょう。

ほとんどの目薬はこのように冷蔵庫内の保存で良いのですが、目薬の中には冷蔵庫内の保存が適さないものがあります。例えば、トラニラストやリザベンといった目薬は、過度の低温(冷蔵庫の中)での保管は避けましょう。冷蔵庫などで保存すると結晶が析出することがあり、期待される効果が得られない場合があります。

このように、適切な管理方法は目薬によって異なります。添付文書を確認し、適切な温度で管理するようにしましょう。