【世界最高のトレーナーが教える!】「下半身」の鍛練でスクワットよりお勧めの「バンド OH リバースランジ」とは?

AI要約

中村豊は世界トップ選手のトレーナーとして知られ、身体能力向上のためには「トレーニング」「リカバリー」「栄養」の3つが必要であると主張している。

彼の初著書『世界最高のフィジカル・マネジメント』では、誰でも簡単にできるトレーニングやリカバリー法を紹介している。

この記事では、下半身を強化するための「バンド OH リバースランジ」トレーニング法を紹介している。

トレーニングチューブを使った「バンド OH リバースランジ」は、下半身だけでなく上半身も鍛えられ、体幹の機動力を高めるのに効果的である。

正確なフォームで行うことが大切であり、動作の安定性を保つために、最初はトレーニングチューブなしでフォーム作りから始めることが勧められている。

中村豊は高い実績を持つトレーナーであり、多くのトップアスリートを育て上げてきた。彼の経験や知識を一般の人向けにまとめた入門書『世界最高のフィジカル・マネジメント』は、健康や若さの維持に役立つ情報が満載である。

【世界最高のトレーナーが教える!】「下半身」の鍛練でスクワットよりお勧めの「バンド OH リバースランジ」とは?

 錦織圭、マリア・シャラポワ、大坂なおみ、ネリー・コルダ……指導した数々の選手を世界トップレベルに導いてきたトレーナー界のカリスマ、中村豊。彼に指導を受けた選手たちは、アスリートとして大幅なステップアップを遂げています。

中村はトレーニングによってのみ身体能力が向上するわけではなく、必要なのは「トレーニング」「リカバリー」「栄養」の3つのメソッドだと語ります。そして、この3つを適切に行えば、一般の人でも身心が健全に整い、若さを持続できると主張するのです。その実践方法を分かりやすく具体的にまとめたのが、中村の初著書『世界最高のフィジカル・マネジメント』です。本連載では同書内容を踏まえて、誰もが簡単にできるトレーニングやリカバリー法を紹介していきます。

「リバースランジ」は下半身を鍛えるトレーニング法です。下半身には人間の筋肉量の60~70%が存在しているので、ここを鍛えれば最も効果的な筋トレとなります。下半身の代表的な筋トレは「スクワット」ですが、実は正確なフォームで行うのが難しく、怪我を誘発しやすいのです。それに比べ「リバースランジ」はフォームがブレにくいトレーニング法です。今回は、下半身に加え上半身も鍛えられて負荷も調整できる「バンド OH リバースランジ」(バンド・オーバーヘッド・リバースランジ)をご紹介します。

● 筋トレ初心者にもお勧めできる 下半身強化トレーニング

 下半身の筋トレとして非常に人気のある「スクワット」ですが、正確なフォームで実践している方は非常に少ないと言えます。単純なトレーニングなので、動きの自由度が高く、どうしてもチェックポイントが多くなってしまうのです。

 同じ下半身トレーニングである「リバースランジ」は、前足に重心を残し後方に足を踏み出す分かりやすいフォームなので、正しい姿勢を保ちやすいというメリットがあります。

 今回ご紹介する「バンド OH リバースランジ」は、トレーニングチューブを用いることで、下半身の筋力強化のみならず、上半身の筋力を安定させる効果も期待できます。また肩関節から肩甲骨のストレッチにもなり、体幹の機動力をより促すのです。

 ここで用いるトレーニングチューブは、安価なものであれば1000円程度で購入できるので、自宅でのトレーニンググッズとして最適です。

● 正確なフォームでの実践が大切

 まず【写真1-1】【写真1-2】のように左足でバンドの中心部分を踏んで固定させます。トレーニングチューブのハンドル部分を左右それぞれの手で握り、肘を真っ直ぐにした状態で上に伸ばします。右足は少し後ろに引き、左足から両手の先までを真っ直ぐのラインに保ちます。

 次いで【写真2-1】【写真2-2】のように両手を真っ直ぐ伸ばして頭上位置に保ったまま、左膝を80~90度に曲げて腰をおろし、右足を後方に引きます。上半身は一直線のイメージです。

 そして、左膝を伸ばして最初のポジションに戻ります。

 この一連の動作を足を左右入れ替えて10回繰り返してください。フォームが安定してきたら、次第に回数を増やすと、より効果が高まります。

 なお、このトレーニングは正確な動きが必要になるので、慣れない方は最初はトレーニングチューブを使わずに、フォーム作りから始めてもよいでしょう。

 (本記事は、『世界最高のフィジカル・マネジメント』の著者が書き下ろしたものです)

中村 豊(なかむら・ゆたか)

ストレングス&コンディショニングコーチ

1972年生まれ。高校卒業後アメリカにテニス留学。スポーツトレーナーという職業に興味を持ち、カリフォルニア州チャップマン大学で運動生理学、スポーツサイエンスを学ぶ。1998年、サドルブルック・テニスアカデミーのトレーニングコーチに就任。2000年、女子テニスプレーヤー、ジェニファー・カプリアティのトレーナーに就任し、翌年世界No.1に導く。2004年よりIMGアカデミーに所属し、錦織圭のトレーニングを14歳から20歳まで受け持つ。2011年よりマリア・シャラポワの専属トレーナーに就任。シャラポワの黄金期を7年間支える。2020年6月、大坂なおみの専属トレーナーに就任。わずか2ヵ月でスランプに陥っていた大坂を再生させ、全米、全豪と立て続けのメジャータイトル奪取に貢献。世界のプロスポーツ界で最も注目されるフィジカルトレーナーのひとり。トレーナーとしての豊富な経験と知識を生かし、一般の人に向けた入門書『世界最高のフィジカル・マネジメント』を上梓した。