イタリア海軍の空母「カブール」が初寄港 中国を念頭に多国間演習へ

AI要約

22日、イタリア海軍の空母「カブール」が海上自衛隊横須賀基地に初めて寄港。海洋進出を念頭に、多国間演習が行われる予定。

カブールはイタリア海軍の旗艦で、F35Bなどを搭載。日本とイタリアの連携強化を期待する声も。

ドイツ海軍の寄港や各国艦艇の連携表明も相次ぎ、インド太平洋地域の安全保障に注目が集まっている。

イタリア海軍の空母「カブール」が初寄港 中国を念頭に多国間演習へ

 イタリア海軍の空母「カブール」が22日、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県)に寄港した。日本への寄港は初めて。補給などを経て27日に出港予定で、その後、海洋進出を強める中国を念頭に、日本、イタリア、アメリカ、ドイツ、フランスの艦船が参加する多国間演習が行われる見通し。

 カブールはイタリア海軍の旗艦で、全長244メートル。スキーのジャンプ台のような飛行甲板があり、運用する短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35B、AV8Bハリアー攻撃機などを搭載して寄港。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦もF35Bを発着艦させる計画を進めており、いずもを指揮する海自第1護衛隊群司令の沢田俊彦・海将補は歓迎式典で「この機会に多くのことを学びたい」と語った。

 イタリアは昨年、最新鋭の多用途哨戒艦を同基地に寄港させている。ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使はカブールの初寄港について「象徴的なこと」とし、「日本とイタリアの連携が広く、深く深化していくことが期待できる」と述べた。

 カブールは太平洋で米海軍などとの共同訓練を経て、フリゲート艦「アルピーノ」とともに寄港した。

 同基地などには今月、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、ドイツの各艦艇が相次いで寄港し、インド太平洋地域での安全保障分野の連携をアピールしている。

 このうち、ドイツ海軍のフリゲート艦と補給艦は20日、東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)に入港。ドイツ海軍艦艇の寄港は2021年11月以来約3年ぶりで、2隻は米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)を経てやって来た。

 ドイツは海外領土を持たないものの、歓迎式典で次期駐日大使のペトラ・ジグムント氏は「インド太平洋地域の海洋秩序を維持することに強い関心がある」などと述べ、国際ルールの順守を強調した。