自民党総裁選は国家観こそ競うべき 中堅若手「山水会」が月刊正論に寄稿、12の政策分野

AI要約

山水会は中堅若手有志によるグループで、国家戦略の要点を総裁選挑戦者に提供する取り組みを行っている。

メンバーは国家の生存、繁栄、尊厳の確保を重視し、外交、国防、経済財政、教育、憲法改正などの政策分野で取り組んでいる。

総裁候補は国家のかじ取り担う矜持を持つべきで、安定的な皇位継承を重要視している。

自民党総裁選は国家観こそ競うべき 中堅若手「山水会」が月刊正論に寄稿、12の政策分野

9月の自民党総裁選に向けて、中堅若手の有志でつくる「山水会(さんすいかい)」が外交、国防、経済財政、教育、憲法改正など12の政策分野で所属メンバーが考える国家戦略の要点を月刊誌「正論」9月号に寄稿した。パーティー収入不記載事件で派閥の影響力が崩れる中、国家観を軸にした政策論戦を総裁候補に迫り、選挙に有利か不利かだけを考えた安易な「顔」選びに陥るのを防ぐ狙いがある。

■国家の生存、繁栄、尊厳の確保を

山水会は約2年前から毎月第三水曜日の夜、安倍晋三政権を支えた元外交官や元防衛官僚らが裏方を務める形で、東京都内で勉強会を開催。対中政策や軍事、サイバーなどの専門家を講師に議論を深めてきた。「第三水曜」から山水会と名付けた。

メンバーは当選期数が若い順に、鈴木英敬、小森卓郎、神田潤一、尾崎正直、和田義明、山下貴司、鈴木馨祐、小林鷹之、木原稔、大塚拓、長島昭久、細野豪志の各衆院議員、松川るい、有村治子両参院議員の計14人。

いずれも、シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が令和3年8月から台湾有事を想定し、計4回実施したシミュレーションの参加メンバーだ。特定候補の当選に向けた活動とは一線を画しているという。

メンバーは「国家戦略」が日本には欠落しているとの認識を共有し、国家戦略が実現すべき「国益」を国家の生存、繁栄、尊厳と規定した。

山水会は国家の「生存」を確保するため、①外交②国防③経済安全保障④エネルギー安全保障⑤国土強靱(きょうじん)化・防災安全保障、国家の「繁栄」を維持するため、⑥経済財政⑦イノベーション⑧こども家庭⑨教育⑩地方創生、国家の「尊厳」を守るため、⑪戦没者顕彰⑫憲法改正─の12分野を挙げ、それぞれが得意とする分野について正論に書き起こした。

防衛相を務める木原氏、総裁候補と目されている小林氏は今回の執筆を見送った。

■総裁候補は国家のかじ取り担う矜持を

国家の「尊厳」に関しては安定的な皇位継承が最も重要な課題だと位置付けたが、衆参両院議長のもと各党協議が進められていることを考慮し、寄稿には「『男系継承』の大原則を堅持するべく英知を絞っていく」にとどめた。