長崎市長「政治的理由ではない」9日の平和祈念式典にイスラエル大使招待しない理由に理解求める

AI要約

長崎市の鈴木史朗市長は、平和祈念式典にイスラエルを招待しない方針を示し、米国のエマニュエル駐日大使らが式典を欠席する意向を示しているが、市長はこの決定を変更しない考えを表明した。

市はG7各国とEUからの懸念を受け、イスラエルを招待しない理由として、抗議活動などの不測の事態を避けたいという安全面の懸念を挙げている。

鈴木市長は苦渋の決断と説明し、外務省と情報共有を行いつつも、政治的理由ではなく、平穏で厳粛な雰囲気の式典を求めたと説明している。

長崎市長「政治的理由ではない」9日の平和祈念式典にイスラエル大使招待しない理由に理解求める

 長崎市の鈴木史朗市長は8日、報道陣の取材に対し、「原爆の日」の9日に市内で営む平和祈念式典にイスラエルを招待しないとした方針に対し、米国のエマニュエル駐日大使などが式典を欠席する方針を示していることをめぐり「(招待しない)判断に変更はございません」と語った。

 長崎市の対応をめぐっては、日本以外の先進7カ国(G7)各国と欧州連合(EU)が7月19日付で、不招待への懸念を表明する書簡を市に送付。市の対応を踏まえ、エマニュエル大使のほか、英国のロングボトム駐日大使らも欠席する意向を示している。

 こうした各国の反応について問われた鈴木市長は「これまでもお話しさせていただいているとおり、政治的な理由でイスラエル大使に招待状を出さなかったのではなく、あくまでも平穏かつ厳粛な雰囲気のもと、円滑に式典を行いたいということで今回の決定をした」と説明。招待した場合、抗議活動などの「不測の事態」が起きることへのリスクへの懸念を理由に挙げた。

 鈴木市長は「大変苦渋の決断だった。日本をのぞくG7やEUからの書簡をいただいたが、私の説明内容が十分にご理解いただけていない結果だと思う」と述べた。

 今回の判断について「長崎市の立場で判断した」としつつ「外務省との間では常に情報共有させていただいている」とも述べた。各国に対しては、自身が口頭で説明したという。

 一方で「逆に申し上げると、(イスラエルが)紛争当事国であるからこそ呼ぶべきだと思っている。でも、呼んだことによる式典に与える影響を鑑み、総合的に判断した」と述べ、理解を求めた。