戸倉長官「全力尽くした」 最高裁退任前に会見

AI要約

10日付で定年退官する最高裁の戸倉三郎長官が記者会見し、在任期間を振り返り責任感を持って全力を尽くし、思い残すことはないと述べた。

戸倉氏は過去の判決で大きな影響を与える判断を下したことで知られており、社会の変化について国民一人一人が考える必要があるというメッセージも送った。

裁判所の役割や社会の課題について深く考察した戸倉長官の在任期間は、社会にとって重要な判断を下す場として注目されるものとなった。

 10日付で定年退官する最高裁の戸倉三郎長官(69)が7日、最高裁で記者会見した。約2年1カ月に及んだ在任期間を振り返り「責任感を持って全力を尽くした。思い残すことはなく、ほっとしている」と述べた。

 戸倉氏は7月の旧優生保護法訴訟の判決で、大法廷の裁判長として旧法を違憲とする初の判断を示した。昨年10月にも、戸籍上の性別を変更する際、生殖能力をなくす手術を求める性同一性障害特例法の規定は違憲との決定を出した。

 同氏は、社会の価値観の変化を背景に訴訟も多様化しているとし「裁判所の判断だけで解決するものではない。どういう社会にしていくかを国民一人一人が考えていくべきだ」と話した。