「自転車レーン」を駐車中のクルマが通せんぼ…ルールを守る人を危険にさらす「道路の邪魔者」トップ3

AI要約

都知事選のカオスな結末を受け、現職の小池都知事が3選を果たす。掲示板の混乱や候補者の多様性など、選挙の様子が振り返られる。

都内の自転車行政に焦点を当て、都道317号線に設置されたEV給電施設の問題点が指摘される。路上の充電施設が自転車の走行スペースを圧迫し、安全上の懸念が浮上している。

小池都政の整合性のなさや環境政策の矛盾が批判される。自転車に対する理解不足やエコビークルの定義についての疑問が呈される。

■カオスな都知事選の果てに現職3選

 七夕選挙の都知事選、色々あった末に小池百合子都知事3選に収まったわけだが、いやはや今回の都知事選のカオスぶりはスゴかった。掲示板見ても、犬や、猫や、同じ人や、一夫多妻制主義者や、そんなのばっかり。

 ある人は「あからさまにアウト」だし、別の人は「言ってることは分かるけど、アンタが通るわけない」だった。そんなこんなで。蓋を開けたら現職の当選だ。まあ仕方ない。

 仕方ないので、都知事選の間、封印していた現職の批判でもしてみよう。

 話はもちろん自転車の話。そもそもこのウェブ連載のタイトルが「漂流する自転車行政」なんだから。

 そして、あらゆる都道府県の中で、東京の自転車行政が一番、漂流している。それを象徴するのが、都道317号線の「公道上EV給電施設」だろう。

■車道にドカンと据えられたEV給電施設

 小池都知事が2期目あたりからエレキ(電気)に関してやたらご執心になっていたのはご存じの通りだ。特に太陽光パネルに対しての義務化ほか、エコだエコだと称して、ワケの分からないエレキ化義務化やばら撒きを推進してきたわけだが、その中のひとつがEVすなわち電気自動車の振興策だ。

 私が呆れ返りながら見ているのが、そのEVの給電機のことなのである。

 代官山の都道317号(旧山手通り)に「公道上EV給電施設」というものがある。画像1を見れば分かるが、一般公道(都道)左端にそのまんま枠を描いて、路上駐車、給電OKとした。

 もちろん車道左端は自転車にとっての走行スペースである。ここにEVがある限り自転車は車道側に膨らんで走らざるを得ない。

 だが、それがどんなに危険なことか。

■自転車乗りの命と引き換えに充電している

 EV給電車は、給電完了まで30分や40分はそこに居続け、後続自転車の“通せんぼ”をし続けるわけだ。要するに当該のEVは自転車乗りの命や安全性と引き換えに、チュウチュウ電気を吸っているのである。それを都の事業として後押しするという駄目さ加減。

 現在「社会実験中」らしいが、延長延長を繰り返して今に至る。間違いなく「なし崩し的に認めさせる」ことを目論んでいるのだろう。

 EV路上給電が許しがたい理由はこうした自転車の安全性以外にも、もうひとつある。それは「なんのため?」という根源的な部分だ。

 EVを普及させようというのは、もちろん二酸化炭素を出さないエコビークルだからだろう。いや、最近はそれすらアヤシいが、それはまあ今回はおいておこう。「まあまあエコ」としておこうか。しかし、その「まあまあエコ」のために、自転車のスペースを潰すのが分からない。

■EVよりエコな自転車の邪魔をしている

 EVと自転車のどちらがエコかといえば、誰がどう考えても自転車だろう。完全無欠のエコビークルである自転車の邪魔をしてEV、ということになると、最初から「エコのため」というのがウソなんだな(笑)というのが丸わかりだ。

 全般的に言って、小池都政はこういう整合性のなさというのが致命的な欠点だ(太陽光パネルもそう)。だいたい国(国交省)はガイドラインを定めて、こういう自転車などの走行車両の通行を邪魔するようなEV給電機設置はやめろと言っている。

 それなのに小池都政は「東京だけは別ですわよ、ふふん」とかいいながら、今でも(2024年7月現在)社会実験継続中だ。