ヴィレヴァンを300店舗まわった男が指摘する、「人材育成の失敗」とは? POPを書けない、サブカルに疎い店員増加した背景。

AI要約

株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションが2024年5月期の決算を発表し、ヴィレヴァンは大赤字となった。

凋落の理由を「サブカルの地位低下」と「世界観の訴求が困難になった」と指摘されている。

"ヴィレ全さん"が全国のヴィレッジヴァンガード店舗を巡り、ヴィレヴァンの現状と本質的な問題についてリサーチを重ねている。

ヴィレヴァンを300店舗まわった男が指摘する、「人材育成の失敗」とは? POPを書けない、サブカルに疎い店員増加した背景。

 7月12日、「ヴィレッジヴァンガード」を運営する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションが、2024年5月期の決算を発表した。

■最新決算で大赤字のヴィレヴァン

 売上高は約247.9億円で、前期の約252.8億円から約2%の減少。営業利益は9.15億円の赤字で、11.4億円もの最終赤字となった。その結果、自己資本比率は27.1%まで低下。資産の多くを「商品」が占める業態としては、危険水域……とまではいかないかもしれないが、あと数年でそうなってもおかしくない状況だ。

筆者はかねて、ヴィレヴァンについて、凋落の理由を考察してきた。詳細は過去の記事「ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになってた 『遊べる本屋』はなぜ魅力を失ってしまったのか」を見ていただくとして、ここであげた凋落の要因は「サブカルの地位低下」と「世界観を強く訴求することが、現代では通用しにくくなった」の2つだ。

【画像】「POPが書けない、サブカルに疎い店員が増加」…大赤字のヴィレヴァン。店舗の外観やPOPを見る(10枚)

 そんな同チェーンだが、全国にはヴィレヴァンを愛し復活してほしいと願う人々がいる。Xで活動する、「ヴィレヴァン全店まわるひと」さん(ヴィレ全さん)も、そんな一人だ。

 そのアカウント名通り、日本全国にあるヴィレッジヴァンガードを一軒ずつめぐりながら、各店の様子をXで発信。店舗では名刺を渡し、時に酒を飲み交わしながら、現役従業員からも多くの話を聞いてきたという。

 今回は、そんなヴィレ全さんから見た、ヴィレヴァンの現在の姿と、リサーチを重ねて気付いた“本質的な問題”についてお伺いした。

■「小さなアニメイト」化するヴィレヴァン

 ヴィレ全さんは、3年ほど前から、この名前での活動を始めた。

 「ヴィレヴァンは現在、300店舗ちょいあるのですが、そのほぼすべてに行きました。足を運べてないのはおそらく、北海道の帯広店、釧路店、そして千葉県の銚子店の3店舗ですね。もともと、仕事が全国を飛び回る仕事なのですが、それに合わせて店舗巡りもしています」(ヴィレ全さん)

 そんなヴィレ全さんは、現在のヴィレヴァン店舗をどう見るか。