ヴィレヴァンを300店舗まわった男が指摘する、「品揃えの失敗」とは? 「遊べる本屋が魅力」を失った本質的な要因はここだ!

AI要約

ヴィレヴァンが直近の大赤字決算を発表し、愛される理由と問題点が浮き彫りになっている。

ヴィレ全さんが活動しているように、ヴィレヴァンの出店戦略や商品管理には課題があるようだ。

POSシステム導入後の変化や商品の仕入れに関する問題が、ヴィレヴァンの課題を浮き彫りにしている。

ヴィレヴァンを300店舗まわった男が指摘する、「品揃えの失敗」とは? 「遊べる本屋が魅力」を失った本質的な要因はここだ!

■直近決算で大赤字のヴィレヴァン

 先日発表された2024年5月期の決算において、かなり「マズい」結果を出してしまったヴィレッジヴァンガード。筆者は以前、そんなヴィレヴァンについて、凋落の理由を考察してきた。

 しかし、まだ全国には、そんなヴィレヴァンを愛し復活してほしいと願う人々がいる。Xで活動する、「ヴィレヴァン全店まわるひと」(ヴィレ全)さんも、そんな一人だ。そのアカウント名通り、日本全国にあるヴィレッジヴァンガードを一軒ずつめぐりながら、各店の様子をXで発信し続けている。

「ヴィレヴァンらしさ」の世代間共有の失敗や、人材教育の失敗についてお伝えした前編ーヴィレヴァン300店巡って見えた「人材育成の失敗」 POPを書けない、サブカルに疎い店員増加の背景ーに続き、後編では、ヴィレヴァンの出店戦略についてお話を伺いながら、リアルなヴィレヴァンの姿に迫っていく。

【画像】最低時給、社員登用の高い壁が「POPが書けない、サブカルに疎い店員」の増加につながった?  今や大赤字のヴィレヴァン。その外観やPOPなど(11枚)

 もともとヴィレヴァンは、各店舗の店長や店員に商品の仕入れや売り方を任せる、いわゆる「権限委譲」を行う企業だった。だからこそ、その店の独自性が担保され、エッジの効いた世界観にもつながっていた。

 しかし、2012年に「POSシステム」を導入したことで変化が生まれる。

 ヴィレヴァンのPOS導入について調べると、「商品の売れ行きを見て、品揃えを反映して、より儲かるようになった」とする記事もあれば、「POSの導入が品揃えをつまらなくした」とする記事もあり、見解はさまざまだ。

 しかし、日本全国さまざまなヴィレヴァンを見てきたヴィレ全さんによると、疑問に思うことも少なくないようだ。

 「どの店舗に行っても、かき氷機が売れ残ってるんですよ。それで聞いてみたら、『これは商品本部が送ってきたものだ』と。一番売れそうな、沖縄県の店舗でも売れ残っていたので、需要のない商品なんでしょうね。

 他にも『沖縄に冬物のアパレル商品が送られてくる』とか『湿気の多い日本海側の店舗に加湿器が送られてくる』などの話も聞きました」(ヴィレ全さん)