参院選まで1年、不記載事件の逆風止まず自民内で高まる危機感 1次公認45人発表

AI要約

自民党は1次公認候補45人を決定し、参院選に向けて態勢を整える

前回参院選で自民党は大勝し、改憲勢力を保持。来夏の選挙でも3分の2以上の議席を獲得を目指す

自民党を取り巻く現状は厳しく、政倫審不出席が選挙戦に影響。主要野党も選挙に向けた取り組みを進めている

参院選まで1年、不記載事件の逆風止まず自民内で高まる危機感 1次公認45人発表

自民党は25日、党本部で選対本部会議を開き、来年7月28日の任期満了に伴う参院選の1次公認候補の計45人(選挙区28人、比例代表17人)を決めた。参院選が1年後に迫る中、派閥パーティー収入不記載事件の逆風がやまない現状への危機感が党内に広がっており、今後1年で信頼回復できるかが問われている。

「どんなに厳しい状況でも、勝利をつかみ取ることができる態勢を整えるために、取り組みを進めていかなければならない」

25日の選対本部会議で、本部長を務める岸田文雄首相(自民総裁)はこう強調した。自民の1次公認の内訳は、選挙区が現職25人、新人3人。比例が現職11人、新人6人。不記載事件で離党した世耕弘成前参院幹事長や大野泰正氏の選挙区では公認候補が決まらなかった。

参院選は3年ごとに総定数(248)の半数が改選される。令和4年の前回参院選では自民党が単独で改選過半数の63議席を確保し大勝した。特に32の改選1人区で28勝4敗と野党を圧倒し、憲法改正に前向きな「改憲勢力」も国会発議に必要な3分の2以上の議席を得た。

来夏の参院選でも3分の2以上の「改憲勢力」を保てるのかが焦点となる。また、自民の改選組は現状52議席で単独過半数に達していないことから、参院自民幹部は「前回に続き、改選単独過半数を目指したい」と目標を語る。

■「政倫審出席せず」が足かせに

とはいえ、自民を取り巻く現状は厳しい。参院政治倫理審査会(政倫審)の議決により、事件に関係した参院議員29人が政倫審に出席し説明するよう求められながら、出席していないことが、選挙戦の足を引っ張ると懸念されている。議決の効力の期限は今のところ決まっておらず、議決を背負ったまま選挙戦に臨めば野党から追及される。参院自民幹部は「秋の臨時国会でけじめをつけ、議決を何とかしたい」ともらす。

主要野党は、今年の党大会で決定した活動計画などで参院選に向けた取り組み方針を打ち出している。

立憲民主党は立候補予定者がいない改選1人区での早期擁立を目指すと定め、日本維新の会は、改選複数区での2人以上の擁立を積極的に検討すると記した。

共産党は「比例を軸に」との方向性を掲げる。国民民主党は次期衆院選と合わせ、悲願である東京での議席確保を図るとしている。(永井大輔、松本学)