木っ端みじんに論破する「石丸伸二的なもの」が「政治の顔」になった理由 北原みのり

AI要約

石丸伸二と斎藤元彦には異なる立場にあるが、共通点が見られる。両者は高学歴エリートであり、新しい風をもたらす地方の首長として活躍している。また、見た目に気を使っている一方で、他者への配慮や対話に欠ける傾向があり、モラハラなどの問題が指摘されている。

40代の高学歴でキャリアを築いている男性には、こうした傾向の人物が多いことが問題視されている。彼らのエリート意識やイキリ方の背後には何があるのか疑問が投げかけられている。

その背景には、地位や成功を追求する中で他者への配慮やコミュニケーション能力が疎かになる傾向や、社会的な権力に対する苛立ちが影響している可能性が考えられる。

木っ端みじんに論破する「石丸伸二的なもの」が「政治の顔」になった理由 北原みのり

 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は「論破されるより論破する側に行きたい」心理と、「石丸伸二的なもの」が政治の顔になった背景について。

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 石丸伸二、斎藤元彦(←兵庫県知事です)……とネット検索していたら「石丸伸二と斎藤元彦共通点」という予測入力候補がでてきた。気になっている人、多いってことですよね。今、2人が置かれている立場は天国と地獄のように違うが、2人がもし入れ替わっても、今実際に起きていることとあまり遠くない結果が生まれるのではないか……と、どこか思わせるような共通点が2人にはあるのかもしれない。

 石丸氏82年生まれ、斎藤氏1977年生まれと世代が近い男性。

 石丸氏京都大学経済学部卒業、斉藤氏東京大学経済学部卒業と超高学歴エリート男性。

 石丸氏も斎藤氏も政治家2世ではなく、既存の権力に対抗する「新しい風」として地方の首長に就任した。

 そして2人とも見た目にとても気を使っている男性政治家(に見えます)である。40代男性にしてはスッキリしている体形、手入れされている肌など、“見た目が大事”であることや、自分の見た目の意味もよくわかっている人たちのようだ。

 で、自分の外見への客観性はあるのに、他者が自分をどう見ているか(見た目ではなく)については関心がなさすぎて、行政職員や議員に対する態度が威圧的だと言われている。石丸氏に対しては現職の市議が「相手を論破するばかりで対話ができなかった」とメディアの取材に答えていたが、斎藤氏に対しては「知事のパワハラは職員の限界を超えている」という元幹部職員の告発文のほか、今や次々とモラハラ報告がされている。2人とも自分より立ち場の弱い者に対し、苛立ちを隠さず荒ぶるタイプのリーダーのようだ。

  とはいえ、こんな男性って……よくいませんか? 正直、東大や京大など、いわゆる日本のトップクラスの大学を出ているのに、こんなイキリ方をするのか? こんなモラハラ体質なのか? え~ショック~というよりは、高学歴でエリート意識が強く見た目も悪くなくキャリアを順調に積み重ね地位を手にしている40代男性に、こういうタイプが多いのって何故なのかしら……と、話を広げられるような思いにすらなる。