「犯罪被害者庁」設立等求める遺族らのシンポジウム 小泉進次郎氏は「担当大臣」設立を提言

AI要約

新あすの会が第2回大会・シンポジウムを開催し、犯罪被害者庁設立などの被害者支援制度の拡充を訴えた。

新あすの会が要求している7項目のうち、犯罪被害者庁の設立や損害賠償権の買い取りがまだ実現されていない。

今年6月には犯罪被害者遺族への給付金が引き上げられたが、改善が必要とされている。

「犯罪被害者庁」設立等求める遺族らのシンポジウム 小泉進次郎氏は「担当大臣」設立を提言

生命・身体に関わる犯罪の被害者らからなる「新全国犯罪被害者の会(新あすの会)」は21日、東京都内で第2回大会・シンポジウムを開催し、犯罪被害者庁の設立など、被害者支援制度の拡充を訴えた。

シンポジウムには小泉進次郎元環境相ら衆院議員も登壇。犯罪被害者庁設立への道のりについて、セッションが行われた。

シンポジウムではまず、新あすの会副代表幹事の白井孝一氏がこれまでの活動を振り返った。

同会は前身である「全国犯罪被害者の会」(2018年解散)から活動を引き継ぎ、2022年3月に再結成。同月の創立大会で、国に対し下記の7項目実現を求め、決議していた。

1.犯罪加害者に対する損害賠償権を国が買い取る制度の創設

2.損害賠償請求訴訟を起こせない場合も、国が損害賠償権を買い取る制度の創設

3.犯罪被害者等へ、治療費などを現物給付する制度の創設

4.犯罪被害者等が、支援を受けるためのカードの発行

5.犯罪被害者等に寄り添い、相談に乗ってくれる組織の創設

6.犯罪被害者庁の設置

7.年間200億円規模の予算確保

このうち1と2は、犯罪の被害に遭い、損害賠償請求が認められても、加害者に財産がないことから賠償を得られずにいる人や、加害者が自死するなどして、損害賠償請求を起こせない人へ向けた制度の創立を要求するもの。

具体的には、国が犯罪被害者や遺族らへの賠償金を立て替えて支払い、あわせて、国が加害者から回収を行うことも求めている。

また、6と7は1~5であげられた制度について、一元的に統括する組織の設立と、実施の予算を求めるものである。

創立大会での決議を受け、自民党内のプロジェクトチームや、政府の犯罪被害者等施策推進会議などでの議論を経て、今年6月には犯罪被害者遺族への給付金の最低額が320万円から1060万円に引き上げられるなど、犯罪被害者支援の改善が進められてきた。

しかし、『犯罪被害者庁の設立』や『損害賠償権の買い取り』といった7項目は実現されていない。