「石丸伸二」はいかにして生まれたのか...同じ敷地内で暮らした「大家」が明かす、”賛否両論”の原点

AI要約

東京都知事選で躍進した石丸伸二氏の原点に迫る。生まれ育った安芸高田市での家族ぐるみの付き合いや成長過程が明らかにされる。

石丸氏の父親は地元で働く一方で家族旅行や誕生日会などを通じて家族との絆を深め、地元の人々からは次男として親しまれていた。

また、長男に期待された石丸氏は競争心を持ち、やんちゃだったがおおらかな性格を持つ兄とは対照的なキャラクターを形成していた。

「石丸伸二」はいかにして生まれたのか...同じ敷地内で暮らした「大家」が明かす、”賛否両論”の原点

東京都知事選での大躍進で一躍「時の人」となった前安芸高田市長の石丸伸二氏(41歳)。選挙後もその言動は注目され、「政治を変えてくれる救世主」と喝采を送るファンがいる一方で、「何がしたいのかわからない」と眉をひそめるアンチも少なくない。

石丸氏は安芸高田市の市長就任後、両親が暮らす自宅を訪れ、両親とともに地元テレビ局のインタビューを受けていた。そのインタビューにおいて、石丸氏と両親は、こうやりとりをしていた。

「小さい時から市長になるんじゃあ、知事になるんじゃあ、言っとったけぇ」(父親の守さん)

「あの頃のままよね。突発的なところとか」(母親の鈴枝さん)

「やんちゃだったけぇ」(守さん)

「まぁ変わってないかな」(石丸氏)

今や「今後の政局を左右するキーマンになり得る存在」とも言われ、SNSでの情報発信などで賛否両論を引き起こしている人物の原点とは。生まれ育った広島県安芸高田市を訪れた――。

安芸高田市の中心部にあるレトロな商店街。石丸氏はここで生まれ育ち、京都大学に入学するまで過ごした。

「石丸家はうちの敷地内にあった借家に暮らしていました。同じ敷地内ですからね。自然と家族ぐるみの付き合いをしてきました。伸二くんのことは生まれたときから知っています」

こう話すのは、石丸伸二氏が生まれ育った借家の大家であるAさんだ。「今後の日本を担うかもしれない石丸さんの原点を知りたい」と聞くと、Aさんは次のように振り返った。

「彼のお父さんである守さんが独身の頃からの付き合いです。守さんは中学校を卒業後、広島市内に本社を置く鋳造メーカーに就職しました。その後、広島電鉄に入り、車掌を経て路線バスの運転手に。奥さんとの出会いはこの頃。バスを利用していた奥さんにアタックして結ばれたそうです。

新居を探していた守さんから『部屋を貸してくれないか』と頼まれたのは40年以上前。以来、ここに25、6年おったんじゃないですかね。その後、奥さんの実家に引っ越しましたが、家族ぐるみの付き合いは続き、守さんには仕事を手伝ってもらっています。じつは明日も手伝ってもらうことになっています」

Aさんは今年5月に開催された守さんの誕生日会にも参加した。

「今年の5月3日に守さんの80歳を祝う誕生日会がありました。会場は北広島町にある料亭。参加者は守さん、奥さん、長男、伸二くん、妹さん、そして私。支払いはまだ市長だった伸二くんでした。振り返れば、石丸家の家族旅行に同行したこともあります。よく覚えているのは岡山の遊園地に行ったことですね」

家族ぐるみの付き合いをしてきたAさんにとって、石丸氏は年の離れた弟のような存在という。

「彼はここで生まれ育ちました。私は彼のことを『しんにいさん』と呼んでいます。彼は三人きょうだいの次男です。下には女の子がいます。

その環境は少なからず彼の人間形成において影響したと思います。田舎に限らないと思いますが、やっぱり長男に期待するじゃないですか。それゆえ競争心みたいなものが自然と芽生えたと思います。実際、大事に育てられたお兄ちゃんはおおらかな性格をしていて、次男とは正反対のキャラクターです。

ちなみに、教師をしているお兄ちゃんは地元の伝統芸能である神楽が趣味。子どもたちに神楽を教えるほか、神楽の脚本家としても活動しています。お兄ちゃんが描く物語? 結局、主役が悪を懲らしめるという話です」