「朝日の良くないクセは事実と感想を混ぜる」記者は政治家に「塩対応を」石丸伸二氏に聞く (3)

AI要約

石丸伸二氏が既存のメディアに対する批判や政治家と記者との関係について語る。

既存のメディアと政治家の関係が阿吽の呼吸になっていると感じる石丸氏。

政治記者が政治家に本音を引き出す難しさや、メディアが弱者いじめをすることに対する疑問を持つ石丸氏。

「朝日の良くないクセは事実と感想を混ぜる」記者は政治家に「塩対応を」石丸伸二氏に聞く (3)

先の東京都知事選で2位に躍進した石丸伸二氏(41)。「マスメディアは当初から自らを取り上げてくれなかった」と批判するが、産経新聞を含む既存の新聞やテレビは、どう映ったのだろうか。記者と政治家のあるべき関係性など、さまざまな問いをぶつけた。

■阿吽の呼吸になっている

ーー石丸さんは著書で、「既存のメディアも政治家と多少べったりしすぎて、そこに引っ張られすぎているんじゃないか」と書いた。私は政治記者を約20年やってきたが、率直にどう映るか。

石丸 阿吽の呼吸になっちゃっている気はする。ときにそれは取材対象者、すなわち政治家が望むようにばかりなっているというわけではないが。

例えば、選挙の後のインタビューには大体お決まりのパターンがある。聞く方も答える方も「これでいこうね」みたいなものがある。聞きやすいし、しゃべりやすい。お互い楽しているなと。

一方、今回蓮舫さんは、選挙の後は気分を害されているようにお見受けする。あれはやはり、(メディアが)いつものパターンでやりすぎちゃっていると思う。「決して政治家に甘いという意味ではない」というのが、その動きに現れている。ただ「やればいいでしょ」というのが、度が過ぎるというか...。その光景が見ていられない。現状は、テレビやメディアの扱いが弱い者いじめに映っちゃう。そうだとしたら、失敗じゃないか。

ーー政治記者の立場で言うと、操られているのかもしれないが、政治家に本音を聞き出すのは難しい。例えば普通に話を聞けるようになるまで 1カ月間ずっと自宅に通い続けたり、自分の立場を分かってもらう努力をしたりした末に、話をする。ただし、経験から言うと、ゴマばかりすり続ける記者には本当の情報が来ない。「素晴らしいですね。すごいですね」って言っているだけの記者には。政治家だって記者から情報が欲しかったり、自分がどうみられているのか聞きたかったりする。

石丸 権力の監視役なのに権力者の機嫌を取っていると映るときはある。でも、それは今おっしゃった通り、その関係性を築く際に、どうしてもそうなってしまうのも分かる。じゃあどうしたらいいか…。全部同じように「塩対応」したらいいんじゃないですか。とにかく厳しく接する。それで対応してくれなかったら、「こいつは逃げた」と烙印(らくいん)を押せばいい。