緊急避難場所の指定取り消しへ 高さ不足の津波タワー2基

AI要約

和歌山県串本町と高知県東洋町の津波避難タワー2基が、最大級の津波想定に合わせるため緊急避難場所の指定を取り消す方針を固めた。

津波想定の見直しにより、両町のタワーは高さ不足となり、建て替えを含めた避難対策に乗り出すことになった。

全国の21基のタワーで高さや強度が不足しており、緊急避難場所の指定を取り消す動きが広がっている中、和歌山県白浜町は引き続き指定したままとなっている。

 東日本大震災後に最大級の津波想定を見直したことに伴い、高さ不足となった和歌山県串本町と高知県東洋町の津波避難タワー2基について、両町が緊急避難場所の指定を取り消す方針を固めたことが14日、分かった。両町とも県と協議しており、住民に周知した上で、建て替えを含め本格的な避難対策に乗り出す。

 指定を取り消すタワーは、串本町が高さ5.6メートル、東洋町が同7.1メートルで、ともに東日本大震災の前に完成。当時の津波想定は上回っていたが、震災を機に政府が数百年から千年に1度発生する最大級の津波を避難対策の前提条件とした結果、2基とも高さが約0.8メートル足りなくなった。

 共同通信が実施した全国アンケートで、想定見直しに伴い、6県の21基で高さや強度が足りなくなったことが判明。大半は緊急避難場所の指定を取り消していたが、両町と和歌山県白浜町のタワー計4基は指定したままだった。

 このうち強度不足だった白浜町の1基は昨年1月、指定を解除。串本町の別のタワー1基は、屋上に救命艇を配備しており指定を続ける。