地方の病院どうなる!?新潟厚生連2024年度の赤字60億円超の見通し 経営危機に病院立地自治体「衝撃的で誠に遺憾」

AI要約

新潟県内で11の病院を運営するJA新潟厚生連は2024年度に60億円以上の赤字が見込まれており、経営改革が急務となっている。

地方の病院の存続を図るためには医療制度や人口減少に対応した経営改善策が必要であり、地域医療連携協議会も財政支援を含めた対策を要求している。

県厚生連は医療環境の変化や患者数の減少、診療報酬の改定などが経営悪化の要因として挙げられ、個別に詳細を説明し地元と議論を進める方針である。

地方の病院どうなる!?新潟厚生連2024年度の赤字60億円超の見通し 経営危機に病院立地自治体「衝撃的で誠に遺憾」

新潟県内で11の病院を運営するJA新潟厚生連は経営改革を進めなければ、2024年度の赤字が60億円以上に上る見通しであると発表した。これを受け、病院の立地自治体は抜本的な経営改善策を早期に示すよう求めている。地方の病院を存続させるための議論を加速させる必要があり、対策は急務となっている。

新潟県内で11の病院を運営しているJA新潟厚生連。

新潟の地域医療を支えているが、人口減少や新型コロナウイルスによる影響で受診控えなどから患者数が減少した一方、費用が増加していることで収支が悪化している。

2023年度の決算では、35億9000万円の赤字を計上。

2024年度に入っても患者数の減少は続き、4月・5月の2カ月で想定を上回る赤字に。経営改革を進めなければ、60億円を超える赤字になるとの見通しを示した。

また、2025年度には資金が枯渇し、事業の存続が困難になる恐れがあるという。

資金の枯渇の回避を図るため、県厚生連は役員報酬などの臨時的削減をはじめ、一般経費の削減、固定資産取得の見直し、保守契約内容の見直しなどの支出改善策を提示。収入改善として、さらなる財政支援の要請などを緊急的対策に挙げた。

一体なぜこれほどまでに経営が悪化したのか…

県厚生連は、患者数の減少だけでなく、診療報酬の改定や医師の働き方改革など、「医療制度を取り巻く環境の変化」も要因の一つに挙げた。

医療環境の変化とともに、人口減少が進む中、地方の病院を守るためには医療再編を含めた議論を加速させ、早期に対策を立てなければならない。

県厚生連の病院が地域医療の中核的な役割を担う6つの市(糸魚川市・佐渡市・小千谷市・村上市・柏崎市・妙高市)で構成される地域医療連携推進協議会は、最大限の財政支援に努めてきた中で、唐突に公表された経営状況について「衝撃的で誠に遺憾」との声明を発表。

県厚生連に対し、詳細な説明や抜本的な経営改善策を早期に示すよう求めた。

県厚生連は今後、個別に詳細を説明し、地元とどういう形で病院を残すのか議論を進める考えだ。人口減少に歯止めがかからない中、地方の病院を残すためには、県立病院も含めた県全体で医療再編についての議論を加速させる必要がある。

(NST新潟総合テレビ)