不安を感じると動けなくなる「不安障害」の少女 得意のケーキ作りで似た境遇の子どもたちの憧れに お菓子作り教室を開催「一番楽しみなのはみいちゃんに会えること!」
16歳の少女・みいちゃんは不安障害を持ちながらも、洋菓子店を開いて輝いている。
みいちゃんは大好きなスイーツ作りで自由に動け、家族以外とは話せないが、SNSの評価を受けて自信を持つようになった。
母・千里さんはみいちゃんの居場所としてケーキ店を作り、みいちゃんの夢を支えている。
不安を感じると動けなくなる。そんな障害があっても、得意のケーキ作りで輝く16歳の少女・みいちゃん。
洋菓子店を開いて4年。自分らしい生き方とは。
滋賀県近江八幡市にあるケーキ店「みいちゃんのお菓子工房」。月に数日ある営業日には、多くのお客さんでにぎわう。
店長はみいちゃんこと、杉之原みずきさん(16歳)。
みいちゃんは不安障害の一つ、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)と診断されている。
安心できない場所では、緊張などから体が動かなくなったり、話せなくなったりする。
しかし、大好きなスイーツ作りでは自由に動き回ることができるのだ。
母・千里さん:昔からかわいかったけど、かわいさが増してるのか、繊細なケーキ作れるようになった。素朴さがあって、思いがあって。
みいちゃんが話せるのは家族だけ。学校では体が固まってしまう。
1人で歩くこともできず、給食も食べられなくなり、みいちゃんは小学4年生で不登校になった。
家でひきこもるみいちゃんに、母・千里さんは「社会とのつながりを持ってほしい」と、スマートフォンをプレゼント。
家で作っていたスイーツの写真をSNSにアップするようになり、称賛のコメントが次々と集まった。
母・千里さん:今まで家族以外としゃべったことない子が的確に返しているんですよ。どこで覚えているのかなっていう気がするんですけど。普段半分の人生のみずきは全く人から評価されないし、逆に『何してんの』『何もしない、この人』って、子ども同士の中で悪気あって言ってるわけじゃないけど、目の前で言われる人生やったので、誰かに『ありがとう』って言われることも絶対にないので、その人生が一転して、『みいちゃんケーキありがとう』『すごいね』って言われるような環境になったので。自分もがんばりたいって思うんでしょうね。
見つけた夢に向かって、スイーツを作り続ける毎日。
そんな姿を見て、千里さんは“みいちゃんの居場所”として、借金覚悟でケーキ店を作った。当時、みいちゃんは小学6年生だった。
母・千里さん:みずきはハンデがあるとはいえ、夢をかなえてあげるお手伝いを親が完全に振り切ってするのはあながち間違ってないかな。早い時にできた夢は崩さんと育ててあげたいな。