「プーチン&金正恩」の「地獄のタッグ」と対峙する「岸田政権」があまりにお粗末過ぎてまったく期待できないワケ

AI要約

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が28年ぶりの軍事同盟「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結

日本の防衛力強化が脅威に直面し、予算確保の困難さと増税の未定に懸念

条約の背景と具体的な内容、ロシアと北朝鮮の戦略的意図が明らかになる

「プーチン&金正恩」の「地獄のタッグ」と対峙する「岸田政権」があまりにお粗末過ぎてまったく期待できないワケ

先週水曜日(6月19日)、防衛力強化の重要性を改めて痛感させるニュースが飛び込んできた。

ロシアのプーチン大統領が平壌を訪問し、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記との間で28年ぶりの軍事同盟の復活とも解釈できる「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結したというのだ。北朝鮮からの兵器購入などは明らかな国連決議違反だが、ロシアがウクライナでの侵略戦争を継続するため北朝鮮から円滑に兵器を調達しよう目論んでいることはミヱミエだ。加えて、ロシアの技術協力によって北朝鮮の核・ミサイル技術が飛躍的に向上する可能性が高く、日本は安全保障上の大きな脅威の出現と見なさざるを得ない。

ところが、日本の防衛は心許ない。敵基地攻撃能力のあるミサイル防衛を実現するため、2023年度の税制改正などで総額43兆円の予算を確保したものの、1ドル=108円で想定していたドル建ての調達費が、足元で1ドル=159円台というドル高・円安の進行によって、実に32%も目減り。目論見通りの防衛力強化は到底果たせないと見られているからだ。

そもそも防衛予算の確保のための増税に至っては、対象こそ法人税、所得税、たばこ税の3税目と決めたものの、肝心の増税の開始時期が依然として未定のままだ。当初想定した通りの装備の整備に向けて、新たな財源の確保が避けて通れない課題に浮上する中で、リーダシップを失った岸田内閣に、果たして、増大する露朝の脅威への適切な対応策を打てるのだろうか。

「包括的戦略パートナーシップ条約」の締結について、キム・ジョンウン氏は6月19日の露朝首脳会談後の記者会見で、露朝の関係を「同盟関係という高い水準に引き上げた」と胸を張ってみせた。

2000年に結んだ現行の両国の「友好善隣協力条約」には、両国の友好関係を規定する条文しかなかっただけに、今回の条約締結を大きな成果として誇示せずにいられなかったのである。

一方のプーチン氏も「真の現状打破の文書だ」「一方の締約国が攻撃された場合の相互支援について規定した」などと表明した。

露朝両首脳の発言と客観的な国際情勢から見て、条約締結の背景として、ロシア側にウクライナ戦争の継続に必要な兵器の北朝鮮からの調達パイプをより安定的かつ太いものにする意図があったことに疑いの余地はない。

北朝鮮側には、国連安全保障理事会の常任理事国の一角であるロシアの窮地に便乗、2国間の軍事協力を盛り込んだ条約の締結によって、既存の安保理による北朝鮮に対する制裁を骨抜きにするとともに、急速に連携を強める日米韓3か国と対峙するための対抗軸を構築する狙いもあったのだろう。

問題の条約の具体的な内容については、北朝鮮の国営通信社「朝鮮中央通信」が全23条で構成されていると伝えている。安全保障、経済、科学技術、保健、文化など幅広い分野で両国の協力を強化する内容だ。

このうち、第23条が条約の効力に関する規定で、「無期限」としており、仮にどちらかが効力を停止したい場合は「1年前に書面で(相手国に)通知する必要がある」としている。

新条約の中で最も注目される規定は、第4条に記されている。この条文には、「(露朝のうち)一方が武力侵攻を受けて戦争状態に陥った場合、(集団的自衛権を規定した)国連憲章51条と北朝鮮、ロシア両国の国内法に準じ、自国が保有する全ての手段により、軍事的ならびにその他の援助を遅滞なく提供する」と明記されているのである。