旭川いじめ再調査終了 凍死から3年3カ月 献花台には似顔絵も 

AI要約

旭川市でいじめ被害を受けた中学生が凍死体で見つかり、自殺との因果関係が再調査される問題。

市教委の再調査委員会が報告書を発表し、いじめと自殺の因果関係が不明とされる。

遺族は再調査を求め、市は再調査委員会を設置していた。

旭川いじめ再調査終了 凍死から3年3カ月 献花台には似顔絵も 

 北海道旭川市で2021年3月、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が公園で凍死体で見つかった問題で、市の再調査委員会(尾木直樹委員長)が30日、記者会見を開く。市教委の第三者委が「不明」としていた自殺との因果関係が注目される。

 広瀬さんが凍死体で発見された永山中央公園(旭川市)にある献花台は、似顔絵を囲むように色とりどりの花でお菓子、飲み物で埋め尽くされていた。

 公園の利用者が時折訪れ、献花台に手を合わせていた。仕事で時々管理棟を利用するという男性(47)は「大人の都合でここまで結論を延ばしてきた気がする」と話す。

 献花台は21年2月13日に自宅を出た後、行方がわからなくなり、3月23日に永山中央公園で遺体で見つかった。同年4月に事実が明らかになると、公園のあちこちに花などが供えられるようになり、管理棟には11月から献花台が設けられた。

 この問題をめぐっては、旭川市教育委員会の第三者委員会が22年9月に最終報告書を発表。上級生らによるいじめを認定した上で、凍死を自殺だと判断したが、いじめとの因果関係は「不明」とした。遺族側は、第三者委はいじめの定義を限定解釈していると指摘し、再調査を求めていた。

 市は再調査の要望を受け入れ、調査主体を市教委から市長部局が設置した再調査委員会へと移し、教育評論家の尾木直樹氏ら5人に委嘱していた。市が再調査委に諮問したのは(1)いじめの事実関係の再検証(2)いじめと死亡の関連性の再検証(3)学校・市教委の対応の問題点と再発防止策の3項目。

 市教委の最終報告書によると、広瀬さんは2019年4月の中学入学直後からいじめを受け、6月に市内の川に入り自殺を図った。入院した広瀬さんは転校し、その後不登校になった。21年2月に失踪し、3月に凍死体で発見された。

 学校と市教委が加害生徒に謝罪させたが、いじめ防止対策推進法の「重大事態」として対処せず、広瀬さんへのケアも怠ったと認定。こうした対応を違法と断じ、「法制度の基本的な理解が欠如していた」と批判した。

広瀬さんの死亡については、失踪前に知り合いに「今日死のうと思う」などのメッセージを送り、厳寒の中、薄着で外出したことなどから自殺と認定した。その上で、自殺の背景には抑うつ状態があったと指摘。その要因は「いじめや本人の特性による学校での不適応、学業の挫折などが関係している」とした。だが、それらがどの程度の割合で関与していたのかはわからないことから、いじめと自殺の因果関係は「結局は不明のままだ」と結論付けていた。(奈良山雅俊)

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