「パートナーと住みたい」LGBTQの部屋探しに立ちはだかるハードルとは

AI要約
LGBTQカップルが住まいを探す際の困難さLGBTQ当事者の体験談偏見やハードルを乗り越えての住まい探し
「パートナーと住みたい」LGBTQの部屋探しに立ちはだかるハードルとは

生活にかかせない「住まい」。そこでパートナーと暮らす、そんな当たり前の日常を得るのにハードルを感じる人たちがいます。6月は性的マイノリティの権利などを考える「プライド月間」でしたが、依然として厳しいという、LGBTQのカップルの住まい探しについて、LGBTQ当事者で、一般社団法人fair代表の松岡宗嗣さんに話を聞きました。

現在、男性のパートナーと一緒に暮らしている松岡さん。初めて一緒に住もうと思い、家探しをしたのは7年前でした。

「もともとはそれぞれ別で住んでいて、私が大学卒業するタイミングで一緒に暮らそうってなりました。関係性をカミングアウトするかもあまり話し合わず、とりあえず部屋を探しに行きました」

不動産を仲介する会社の担当者は、二人の関係性について特に関心を示さなかったといいますが。

「家のオーナーさんがね…みたいな感じであんまり(部屋を)紹介できない感じの雰囲気が、結構もう、ひしひしと伝わってきていて」

結局、物件を紹介してもらえなかったといいます。その後、別の業者でも家探しをしましたが、そこでも壁にぶつかることとなりました。

「質問票に関係性の欄があって。書こうとした時に、こちらが何も言ってないんですけど、担当者から『全然”そっち系”じゃないと思うんですけどね!』と笑われてしまって。多分向こうとしては、ある種、気をつかったというか、男性同士のルームシェアで関係性を聞く方が不快に思われる、と考えたんだと思います」

その後、結局本当の関係性は隠したまま、いくつかの物件の内見に行ったといいます。

「担当者から『次紹介する物件は2DKなんです』って話から、『部屋が別なのでお互い女の子連れ込み放題ですね』みたいな冗談を言われて」「そのとき、自分でもびっくりするぐらい生ぬるい笑い声しか出なかった、笑ってかわすことしかできなかったです」

結局、二人で一緒に暮らすことがゴールだと考え、何も言わないまま紹介された部屋を契約したといいます。

「家を探す、という当たり前のことにも心理的、物理的ハードルをすごく感じました。偏見とか、そういうまなざしを我慢してくぐり抜けた感じでした」